Tangzuから、新作イヤホン「WAN’ER S.G Studio Edition」が発売されました。
本機は、WAN’ER S.Gがベースモデルとなっており、新たなドライバーを採用されています。
もちろんチューニングも変更されています。
価格は21ドルです。
今回は、従来モデルとの比較も含めてレビューしていきます。
さぁ、見ていきましょう。
パッケージ
Studio Editionは、本体カラーがブラックとホワイトの2種類あり、パッケージデザインも本体カラーに合わせて異なるデザインとなっています。
いずれのパッケージにも、気品あふれる上官婉児をモデルとした美しいイラストが描かれています。
箱を開けると、Tangzuではおなじみのクリーニングクロスが敷かれていました。
クロスをめくるとイヤホン本体が収納されています。
このクリーニングクロスは、イヤホンのフェイスプレートを保護する役割も果たします。
さらに、パッケージ内には、アクセサリーが収納されているので取り出して見ていきましょう。
アクセサリー
セット内容
- イヤーピース(白濁色): S/M-/M/Lサイズ
- イヤーピース(黒色): S/M/Lサイズ
- ケーブル:OFC銀メッキ、3.5mmL字プラグ、0.75mm2pinQDCコネクタ
- クリーニングクロス
イヤーピースは2種類付属しています。
白濁色のイヤーピースは、どっかの07に酷似しています。
イヤホン
ビルド
金と黒のフェイスプレートは、美しく高級感のある仕上がりです。
樹脂製のシェルは、片側わずか3.5gと軽量で、装着感は良好です。
ソケットは2PinQDCタイプに対応しています。
ステムは短く、太さは5.4mm、返しの部分は6.4mmとなっていました。
フェイスプレートとシェルの間に隙間ができていました。
強く押し込むこと、パチンと問題なくハマりました。
このビルドクオリティは個体差だといいのですが、品質には疑問が残ります。
スペック
ドライバー | 10mm PET Dynamic Driver |
感度 | 105dB |
インピーダンス | 16Ω |
周波数帯域 | 20Hz – 20kHz |
サウンド
使用環境
- アンプ :TOPPING L30
- DAC :TOPPING E30(AK4493)
- ケーブル :
付属ケーブル⇒ OFC銀メッキケーブル - イヤーピース:付属イヤーピース(白濁色Mサイズ)
- エージング :10時間
写真をよくご覧いただければ分かるかと思いますが、使用することはできませんでした。
品質には疑問が残ります。
音質
studio editionの名の通り、モニターライクでフラットなチューニング。
余計な味付けを極力抑え、音源本来の細やかなニュアンスをありのままに描き出します。
高音域
高音域はクリアで、細かな音まで聞き取れます。
煌びやかな音色は控えめですが、透き通るような開放感のあるサウンドが魅力です。
長時間聴いても疲れない、心地よい音質です。
中音域
中音域は滑らかで、楽器の音色もクセが無く自然です。
解像度感もあり、音が埋もれることはありません。
男女ともにボーカルが聞き取りやすいです。
低音域
低音は控えめで、中高音域をクリアに聴かせるためのサポート役といった印象です。
迫力はあまり感じませんがが、バランスよく仕上がっています。
EDMからロック、バラードまで、幅広いジャンルの楽曲を自然なサウンドで再生できます。
定位・音場
音場は普通。
広くはありませんが、窮屈な印象もありません。
定位感は問題なし。
アンプ・ケーブル・イヤーピース
モニターサウンドを生かすようなケーブルやイヤーピースと組み合わせたいです。
ケーブルはOFC線材のものが好印象で、付属のイヤーピースでも十分だと思います。
また、スマホでも十分に鳴らせる、扱いやすいイヤホンです。
比較
ベースモデルであるWAN’ER S.Gと比較します。
最も大きな違いはノズル部分にあり、ステムの長さが大幅に変更されています。
シェルの形状など、その他の部分での変化は見受けられません。
Wan’er S.G | Wan’er S.G Studio Edition | |
---|---|---|
ドライバー | 10mm PET Dynamic Driver | New 10mm PET Dynamic Driver |
感度 | 107dB | 105dB |
インピーダンス | 20Ω | 16Ω |
周波数帯域 | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz |
重量 | 3.9g | 3.5g |
ノズル-ステム | 5.4mm – 4.9mm | 6.4mm – 5.4mm |
価格 | 21ドル | 21ドル |
Studio Editionでは、新しいドライバーユニットが採用されています。
高剛性PET振動版の変更は、音質にどのような影響を与えるのか、周波数特性を比較することで検証します。
低音域の量感が大きく異なり、Studio Editionでは控えめなチューニングが施されていることがはっきりと分かります。
高音域に関してもピークの周波数が異なるものの、傾向的に大きな差は見られません。
最後に、ケーブルやイヤーピースを同一条件にして聴き比べを行いました。
最も大きな違いは低音の量感で、Studio Editionは低音が控えめな印象です。
その一方で、中高音域はクリアで、音の輪郭がはっきりしており、開放感が感じられます。
しかし、根本的な音色は共通しているので、まったく別のイヤホンと言えるほどの違いはありません。
総評
フラットな音質は、人それぞれ感じ方が異なるため、一概にこうだと断言することは難しいのです。
しかし、このWAN’ER S.G Studio Editionを聴いて、フラットな音質とはこういうものなのかもしれない、と深く考えさせられました。
良くも悪くも「普通」であるということが、このイヤホンの魅力です。
特徴のあるイヤホンが数多く存在する中で、このイヤホンの「普通」が非常に面白い。
個人的には、色々なイヤホンを聴いた耳をニュートラルに戻したい時に役立つ一本でもあります。
Tangzuブランドだけあって、21ドルという価格を超える音質を実現している点も素晴らしいと思います。
ただぁ!低音重視で、迫力のある音楽でウェーイしたい人には物足りないかもしれませんね。
販売情報
WAN’ER S.G Studio EditionはAngeldac Audio Storeで販売中だってばよ。
本体カラーは、今回紹介したブラックの他にホワイトもあります。
価格は21ドル、約3300円で購入できます。
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