KZから新作の有線イヤホン「Taurus」が登場しました。
価格はAmazonで約3,480円とエントリークラスですが、デュアルダイナミックドライバーを搭載しています。
音質はナチュラルでフラット傾向のチューニングが特徴です。
本記事では「KZ Taurus」の音質や使用感を詳しくレビューし、さらに同ブランドの「KZ ZVX Pro」との比較も行います。
パッケージ

KZの中でも最も小さいパッケージサイズで、デザインもシンプルです。


箱の中はイヤホン本体とアクセサリー類が収められています。
アクセサリー

セット内容
- イヤーピース(シリコンタイプ):S/M/Lサイズ
- ケーブル(QDCコネクタ):3.5mmプラグ
- 説明書など
付属品は必要最低限にまとめられており、イヤホンを使う上で不足のない構成です。
イヤホン
ビルド


樹脂製のイヤホンで、フェイスプレートには金属の円形パーツが組み合わされています。
パーツに設けられた開口部がデザインのアクセントになっており、イヤホン内部とつながっていれば開放的な音にも期待できそうです。


ステムの直径は約6mmと平均的な太さで、重量は片側4.4gと軽量です。
装着感は良く、長時間でも問題なく使用できます。
ドライバーユニット

デュアル8mmドライバーにより、パワフルで深みのある低音を再現します。
また、電子分周技術によって全体の音のバランスが整えられており、臨場感あふれるサウンドを楽しめます。
周波数特性

(※クリック・タップで拡大できます)
音質
使用環境


アンプ | TOPPING L30 |
DAC | TOPPING E30 |
ケーブル | 付属ケーブル |
イヤーピース | 付属イヤーピース |
エージング | 30時間 |
音質評価

KZとしては珍しく、全体のチューニングはフラット寄りでナチュラルな音質です。
レンジはあまり広くありませんが、その分クセがなく聴きやすい仕上がりになっています。
高音域:サラッとした聴きやすさ
高音域はサラッとした質感で、突き抜けるようなシャープさや刺さりはありません。
そのためアッサリした印象ですが、心地よい鳴り方です。
大きな特徴はありませんが、聴きやすさという点では優秀です。
中音域:クリアで開放的なボーカル
中域は厚みこそ控えめですが、分離感が良いのでボーカルが埋もれることはありません。
フラットな音質傾向も影響し、クリアで見通しが良く、各音の間に余裕が感じられます。
解像度感は「それなり」といった水準で、エントリークラスのイヤホンとして妥当な仕上がりです。
低音域:控えめながら不足感なし
低域は量感こそ控えめですが、深さ自体は意外と感じられました。
派手さや迫力はありませんが、楽曲全体を軽くすることはなく、自然な低域に仕上がっています。
定位・音場
定位感は問題ありません。
音場も「やや広め」に感じられます。
ただし、音の広がりにやや不自然さがあり、特に高音域では散らかるような印象があります。
まとめ
「平均点を抑えた優等生」といった印象です。
派手さはありませんが、落ち着いて音楽を楽しめるチューニングです。
無難と言えば無難な音ですが、逆に言えばクセが少なく幅広い音楽ジャンルに対応できます。
イヤーピース・ケーブル・アンプ
インピーダンス | 36Ω |
感度 | 105dB/mW |
周波数帯域 | 20Hz – 40kHz |
「Taurus」はイヤホンとしては比較的高めのインピーダンスを設定されており、スマホ直挿しでは音量を7割まで上げる必要がありました。
その分バッテリー消費も増えるため、スマホのみの使用だと実用性は低めです。
音質面からも、アンプの併用をおススメします。
KZのイヤホンということで、例に漏れずケーブルやイヤーピースの交換を推奨します。
リケーブルは、2DDをしっかりドライブできている恩恵か、バランス接続時の印象が良いです。
もともとイヤホンの装着感が良いため、イヤーピースは音質変化を重視して選べます。
また、フラット傾向の音質なので、サウンドメイクしやすくなっています。
比較
今回は「KZ Taurus」と「KZ ZVX Pro」を比較します。
KZ ZVX Pro
装着感
イヤホンの重量は「Taurus」が圧倒的に軽いです。
ただし装着感に関しては、両モデルとも大きな差はなく、優劣は感じません。
音質
周波数特性通りの音質で、「ZVX Pro」は低音に迫力があり、高音に煌めきを感じます。
いわゆるドンシャリ傾向で元気な音です。
ただし、あくまでも2モデルの比較なので、「ZVX Pro」単体で見ればそこまで極端なドンシャリ傾向ではありません。
対して「Taurus」はフラット傾向です。
ボーカルは鮮明に聴こえ、自然な音です。
中音域は両モデルに大きな違いは感じません。
金属筐体の影響もあり、「ZVX Pro」は音のディティールがハッキリしています。
「Taurus」の音もそこまで樹脂っぽさは感じませんが、若干ですが中高音域に擦れたような音がします。
音の解像度感は両者で大きな差はありません。
項目 | KZ Taurus | KZ ZVX Pro |
---|---|---|
ドライバー | 2DD | 1DD |
シェル/フェイスプレート | 樹脂/金属(一部) | 金属/金属 |
音質傾向 | フラット/ナチュラル | ドンシャリ/元気な音 |
高音域 | サラッとして聴きやすい | 煌めきがあり華やか |
中音域 | 自然で見通しが良い | クリアで厚みあり |
低音域 | 控えめだが沈み込み十分 | 力強く迫力あり |
ボーカル | クリアで鮮明 | 力強さはなく繊細 |
音場 | やや広め | 標準~やや広め |
装着感 | 良好、軽量で長時間でも快適 | 良好だが重量感あり |
重量(片側) | 約4.4g | 約11.2g |
Amazon価格(参考) | 約3,480円 | 約3,100円 |
フラットで自然な音を求めるなら「Taurus」、低音と高音に迫力があり元気なサウンドが好みなら「ZVX Pro」、さらにドンシャリ傾向を楽しみたいなら「ZSTX」などのモデルといった選び方になります。
総評
いつもの元気でドンシャリなKZサウンドを期待していると肩透かしを食らうかもしれませんが、落ち着いて音楽を楽しむことができます。
フラット傾向で自然な音質に仕上がっており、無難にまとめてきた印象です。
価格は約3,500円で、エントリークラスとして十分な水準を満たしていると思います。
- フラット傾向のイヤホンが欲しい方
- イヤホン初心者の方
- 2本目のイヤホンとして気軽に使いたい方
- 幅広いジャンルの音楽を自然に楽しみたい方
───という方に特におススメです。
販売情報

「KZ Taurus」は各サイトで販売中です。
現在、Amazonでは通常価格3,480円がクーポン適用で2,958円に。
また、KEEPHIFI公式では通常25.99ドルが、クーポンコード「PGDGG259PNXP」の利用で20.79ドルで購入できます。
カラーは3種類、マイク付き/なしのモデルから選択可能です。

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