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KZイヤホンレビュー

KZ『AS24 Pro』レビュー。

KZから新作イヤホンAS24 Proが発売されました。
AS24の後継機である本機は、片側12、合計24のBAドライバーを搭載しているのが最大の特長です。
価格は約116ドルですが、この価格でどれほどの性能を発揮できるのか、前作AS24との比較も踏まえながらAS24 Proをレビューしていきます。
さぁ、Tuning Version…つまり、スイッチ付きのAS24 Pro見ていきましょう。

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パッケージ

漆黒のパッケージは、エントリーモデルとの差別化を図っており、非常にシンプルなデザインです。
裏面には仕様が記載されています。

パッケージカバーと保護用のプラスチックカバーを外しました。
エントリーモデルとは異なり、こちらのパッケージングは変更されていないようです。
付属品も収納されていたので、確認していきましょう。

アクセサリー

セット内容

  1. イヤーピース(シリコンタイプ):S/M/Lサイズ
  2. イヤーピース(フォームタイプ):Mサイズ ※本体に装着済み
  3. ケーブル:3.5mmL字プラグ、QDCコネクタ
  4. チューニングスイッチ切替用ピン
  5. 説明書

特に変更はありませんでした。

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イヤホン

ビルド

片側だけフェイスプレートにライトを当ててみました。
光が屈折してキラキラと美しい輝きを放っているのが分かるかと思います。
シェル内部には、BAドライバーがぎっしりと埋め込まれています。
ソケットはQDCタイプなので、KZのイヤホンで使っていたケーブルをそのまま使用できます。

チューニングバージョンはスイッチを搭載しています。
ノズル径6mm、ステム径5.3mmと標準的なサイズ感ですが、最近のトレンドなのか、ステムが短くなっています。
多くのドライバーを搭載しているためか、樹脂製のイヤホンとしては、片側7.8gとやや重く、シェルは厚くなっています。
ですが、耳にしっかりとフィットするため、厚みや重さはあまり気になりませんでした。

スペック

ドライバー 高周波/超高周波用BA 31736 ×4(8)
高周波用BA 30019 ×1
中周波用BA 29689 ×2
低周波用BA 22955 ×1
感度 109 – 114±3dB
インピーダンス 20 – 50Ω
周波数帯域 20Hz – 40kHz

チューニングバージョンは、スイッチで音質を切り替えることができます。
恐らくスイッチで抵抗値に変化を加えることで、音質を変化させているかと思います。
そのため、インピーダンスや感度の数値に開きがあるのでしょう。

サウンド

使用環境

  1. アンプ   :TOPPING L30
  2. DAC    :TOPPING E30(AK4493)
  3. ケーブル  :付属ケーブル
  4. イヤーピース:付属イヤーピース(シリコンタイプMサイズ)
  5. エージング :10時間
  6. スイッチ  :全てOFF

音質

第一印象は「ドンシャリ…じゃない!」です。
高音域を重視したチューニングであると感じました。
「弱ドンシャリ」という表現は人によって捉え方が大きく異なるため、ここでは使用を避けたいと思います。

高音域

高音域はクリアで明るく、高い解像度感を感じることができます。
とにかく情報量も豊富で、細かな音まで捉えられます。
音にざらつきを感じ、楽曲によっては軽くシャリつきがあります。
特にロックを聴くと、ギターの歪みやシンバルでこの傾向が顕著です。
長時間聴取すると、聴き疲れするかもしれません。

中音域

中音域はサラッとしています。
引っ込んでいるとは思いませんが、薄く感じます。
音の抜け、分離感が良く、音数が多くてもごちゃごちゃせずに聴き取りやすいです。
女性ボーカルにフォーカスされていて、声が伸び、ブレスが明瞭に聴こえて魅力的です。
逆に声の低い男性ボーカルは、奥まって聴こえて、苦手だと思います。

低音域

意外にも、低音域は思った以上に出てこない。
タイトな低音で、特にサブベースは控えめな印象です。
しかし、楽曲を支える十分な重みは感じられます。
音のキレを重視したチューニングが施されているように思われます。
そのため、音が前に押し出されるような感覚があります。

定位・音場

音場の広さは普通。
定位感は良好です。
ただし、左右のチューニングスイッチを異なる設定にすると、定位感が乱れるため注意が必要です。

アンプ・ケーブル・イヤーピース

ケーブルとイヤーピースは交換必須です。
個人的には高純度線材を使用したケーブルと、とりあえずで付けたイヤーピース「TRI 角笛 Clarion」が結構よかったです。
アンプはポータブルアンプ以上の使用を推奨します。
ドングルDACでは、十分な音量は得られますが、高音域が薄っぺらく音質が貧弱に感じられます。
また、スマホ直挿しでのリスニングは難しいです。

比較

前作のAS24とAS24Proを比較してみましょう。
ノズルの長さやチューニングスイッチの部品に違いが見られました。
それ以外の変更点は見当たりませんでした。
装着感はノズルが短くなった影響か、AS24Proが良くなっています。

AS24 Pro AS24
ドライバー 高周波/超高周波用BA 31736 ×4(8) 高周波/超高周波用BA 31736 ×4(8)
高周波用BA 30019 ×1 高周波用BA 30019 ×1
中周波用BA 29689 ×2 中周波用BA 29689 ×2
低周波用BA 22955 ×1 低周波用BA 22955 ×1
感度 109 – 114±3dB 109±5dB
インピーダンス 20 – 50Ω 20-50Ω
周波数帯域 20Hz – 40kHz 20Hz – 40kHz
重量 7.8g 7.9g
ノズル-ステム 6mm – 5.3mm 6mm – 5.2mm
価格 約121ドル 122ドル

ドライバーや仕様を比べてみます。
どちらもマイクなしのTuning Version、AS24 Proはセール価格となっています。
両モデルは、同じドライバーを搭載しており、スペック上の違いはほとんどありません。
音に違いはあるのでしょうか?イヤーピースやケーブルを同条件にして、周波数特性を測定し、聴き比べします。

特性を見れば一目瞭然ですが、音も全然違いました。
AS24Proは、AS24と比較して、低音域の量感が増し、高音域はクリアになったことで、ダイナミックで迫力のあるサウンドに仕上がっています。
ドンシャリ寄りになったと言えばそれまでですが、低音の沈み込み方や、高音の煌びやかさが際立ち、楽曲のグルーヴ感をより強く感じることができます。
個人的にドンシャリ好きということもありますが、AS24Proはパワーアップしてると感じました。
より繊細で落ち着いたサウンドを求める方には、AS24の方が合うかもしれません。
根本的な音色は近い位置にあります。
両モデルの違いは「AS24はバランスの取れたサウンド」、「AS24Proはパワフルで力強いサウンド」といったところでしょうか。

総評

AS24Proは高音域の伸びやかさと、分離感の良さが際立つ、高解像度のサウンドが魅力です。
BAドライバーならではの、クリアな音を楽しみたい方におすすめです。

販売情報

AS24 Proが、公式ストアにてセール中です。
スイッチ無しのStandard Versionが106ドル(約15,500円)、スイッチありのTuning Versionが121ドル(約18,000円)と、通常価格からそれぞれ10ドル引きで購入できます。
どちらもマイクなしモデルの価格です。

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