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7Hz有線イヤホンレビュー

7HZ 『Timeless II』レビュー。空間表現に優れたバランス機。

7HZから新作の有線イヤホン「Timeless II」が発売されました。
前作「Timeless」より大型化された14.5mmの平面磁気ドライバーを採用しており、ノズル交換による音の調節が可能になっています。
価格は約35,000円。
今回は、この「Timeless II」をじっくり聴き込み、他のモデルとの比較も交えながら詳しくレビューしていきます。

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パッケージ

パッケージは、黒を基調とした高級感のあるデザインです。

カバーを外すと、雰囲気が一変し、化粧箱は正反対の白一色となっています。
さらに箱を開けると、カーボン調のケースと交換用のノズルが収められていました。

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アクセサリー

セット内容

  1. イヤホンケース
  2. ケーブル:7N単結晶銅4芯ケーブル(3.5mm/4.4mm交換式プラグ、0.78mm 2Pinコネクタ)
  3. イヤーピース:「7HZ H-07」シリコンタイプ(白濁色):S/M-/M/M+/Lサイズ
  4. イヤーピース:「7HZ H-08」シリコンタイプ(青色):S/M/Lサイズ
  5. イヤーピース:シリコンタイプ(赤軸):S/M/Lサイズ
  6. 交換用ノズル
  7. 説明書等

付属品は充実しており、イヤーピースが3種類同梱されています。
さらに、付属のノズルに交換することで、自分好みの音質に調整することが可能です。
ケーブルは7N単結晶銅という高純度の線材が採用されており、3.5mmと4.4mmの交換式プラグが採用されています。
これにより、ユーザーの環境に応じてバランス接続、またはアンバランス接続を自由に選択できます。

イヤホン

ビルド

前作同様、円形のフェイスプレートが引き継がれています。
カーボン調のデザインには凹凸があり、光の角度によって輝き方が変わります。
また、2Pinソケットのプラス側には赤い目印があります。
特殊な形状のイヤホンですが、ケーブルの差し込み方向で迷うことはないでしょう。
筐体は樹脂製で、見た目は重そうに感じられますが、実際には片側5.5gとそれほど重くはありません。

ノズルは交換式を採用しており、標準タイプのノズル口径は6.3mmで、やや太めとなっています。
見た目に反して装着感は良く、耳との密着度が高いので、長時間装着しても疲れや痛みを感じることはありませんでした。
また、円形のフェイスプレートが耳をふさぐ役割を果たし、閉塞感が得られるので外部の音をしっかりと遮断してくれます。
耳の形によって個人差はあると思いますが、円形のフェイスプレートが耳をしっかりと覆い、外部の音を遮断してくれます。

スペック

交換ノズル・周波数特性

Timeless IIには、装着済みのものを含めた4種類の交換用ノズルが付属しており、それぞれデザインと材質が異なります。

  • 花柄ノズル:金色の本体に花柄にパンチング加工が施されたダストフィルター。7Hzの他モデルでも採用されている共通デザインで、これを標準ノズルとします。
  • 放射線状ノズル:銀色の本体に放射線状にパンチング加工が施されたダストフィルター。花柄ノズルとは異なる材質です。
  • 丸型ノズル(金色): ノズル先端が丸く削られ、開口部が設けられた煙突のようなデザイン。音道を屈折させる構造となっています。
  • 丸型ノズル(銀色):: 金色の煙突型ノズルと形状は同じですが、異なる素材を採用しています。

それぞれのノズルについて周波数特性を計測した結果、中音域から高音域にかけて違いが見られました。
まず、丸型ノズル(銀色)は中高音域が特に強調されており、次に花柄ノズルは中高音域が強めの傾向があります。
また、丸型ノズル(金色)は10kHz以上の高音域が持ち上がっています。
放射線状ノズルは控えめで、全体的に落ち着いた特性となりました。

仕様
ドライバー14.5mm planar driver
インピーダンス15.2Ω
感度108dB/V
周波数帯域5Hz – 40kHz

ドライバーは14.5mmの大型平面振動板が採用されてます。
両面に特殊な銀合金コーティングが施されています。

サウンド

使用環境

  1. アンプ   :TOPPING L30
  2. DAC     :TOPPING E30
  3. ケーブル  :付属ケーブル
  4. イヤーピース:付属イヤーピース「7HZ H-07」
  5. エージング :50時間
  6. ノズル   :標準ノズル

音質

初めて聴いた際は、そのバランスの良さに驚かされました。
全体的に温かみがあり、落ち着いた大人のサウンドといえるでしょう。

高音域

高音域は大人しく柔らかい音色が特徴ですが、明瞭さを損なわず、暗く沈むこともありません。
音の余韻は低音域で感じられることが多いですが、Timeless IIでは高音域でもしっかりと表現されています。
また、広い音場との相乗効果により、空間の広がりを存分に楽しむことがでます。
この空間表現の素晴らしさがTimeless IIの最大の魅力といえるでしょう。
ただし、明るくシャープな高音域を好む方にとっては、少し物足りなく感じる可能性があります。

中音域

中音域は自然な音が特徴で、十分な厚みと滑らかさがあり、心地よいサウンドに仕上がっています。
全体的にウォーム系で暖かみのある音色が、音の細部が捉えにくいと感じました。
また、音の強弱が控えめなため、ダイナミックな表現力にはやや欠ける印象です。

ボーカルは男女問わず優れており、声の伸びや美しい響きを感じることができます。

低音域

低音域は引き締まっており、適度な余韻が感じられます。
サブベースが押し出してくるので、楽曲に力強さと迫力を与えています。
一方で、ミッドベースはやや控えめなバランスになっていますが、空間を圧迫することはありません。
これにより、中高音域の空間表現が可能となり、バランスの取れた音作りになっていると感じます。

定位・音場

前述の通り、音場は非常に広く、まるでホールで音楽を聴いているかのような感覚になります。
定位も安定しており、崩れることがありません。


苦手な楽曲ジャンルがなく、アニソンからオーケストラまで幅広く対応できると思います。
特にインストとの相性は抜群で、優れた空間表現を存分に楽しむことができるでしょう。
さらに、Timeless IIで楽曲を聴くと、ギターの歪みから生じるノイズやサウンドエフェクトによるノイズが抑えられ、目立ちにくくなる特性があります。

イヤーピース・ケーブル・アンプ

Timeless IIはスマホの直挿しで鳴らすのは難しいイヤホンです。
一応、スマホの音量を8割以上にすれば使用可能ですが、実用的とは言えません。
アンプを使用してリスニングすることをおススメします。

筆者はイヤーピースは交換しており、特に中高音域を強調するタイプを選んでいます。
また、純銀線を使用したケーブルとの相性が良いと感じました。
全体的に音が明るくなり、輪郭がハッキリして分離感も向上しました。

比較

Timeless IIを他のイヤホンと比較しました。
対象は、大型平面駆動ドライバーを搭載した「HIDIZS MP143 Salt」と、音域バランスが似ていると感じた「TINHIFI T3 PLUS」です。
周波数特性を測定し、実際に聴き比べた結果、それぞれの特徴や違いを詳しく確認しました。

モデル ブランド ドライバーユニット 対応コネクタ 重さ 価格
Timeless II 77HZ 14.5mm Planar 0.78mm2Pin 5.5g ¥34,880
MP143 Salt HIDIZS 14.3mm Planar 0.78mm2Pin 7.8g ¥21,999
T3 PLUS TINHIFI 10mm-LCP dynamic 0.78mm2Pin 4.5g ¥8,009
MP143 Salt

低音域の質感に違いがあり、Timeless IIはミッドベースから中音域までがすっきりしており、音がクリアに聞こえます。
一方、MP143は迫力のあるサウンドが特徴です。
高音域はTimeless IIがやや強調されていますが、大きな差はありません。

音場については、Timeless IIは、MP143よりもさらに広い音場で、まるでコンサートホールにいるような臨場感があります。
MP143も十分な音の広がりを感じられますが、Timeless IIの空間表現力には及びません。
また、Timeless IIは解像度が優れていますが、聴き比べなければ分からない程度です。

どちらのモデルも幅広い音楽ジャンルに対応できますが、MP143はボーカル曲、Timeless IIはオーケストラ曲のような大編成の音楽との相性が良いと感じました。

どちらも完成度の高いイヤホンですが、価格差ほどの音質差は感じられません。
クリアで音場の広いなサウンドを求める方にはTimeless II、迫力のあるサウンドを好む方にはMP143がおすすめです。

TinHiFi T3Plus

まず最初にお伝えしておきたいのは、T3 PlusとTimeless IIを比較すること自体が、T3 Plusにとって不公平だということです。
なぜなら、両モデルには約4倍もの価格差があるからです。
しかし、単に「価格が違うから」と片付けるのではなく、なぜこれほどの価格差が生じているのか、その理由を明らかにすることがこの比較の目的でもあります。

周波数特性だけを見ると、それほど大きな違いがないように感じるかもしれません。
しかし、実際にTimeless IIと聴き比べると、いくつかの違いがあります。

まず、T3 Plusについてですが、音に少し粗さがあり、中高音域に若干の歪みを感じることがあります。
特に音量を上げた際にはその傾向が顕著です。
一方でTimeless IIを聴くと、その音がいかにクリアで美しいかを実感します。
これが両モデルの最大の違いと言えます。

低音域にも違いが見られます。
特性を見ると、サブベースに明確な差がありますが、単に音が強いだけではありません。
Timeless IIの低音は、音が迫ってくるような迫力を感じさせます。

さらに音場の広さもTimeless IIのが明らかに優れており、これが全体の音質に大きな影響を与えています。

もちろん、T3 Plusは1万円前後のイヤホンとして優秀なモデルです。
Timeless IIを聴いた際、音域バランスが似ていると感じるほど、筆者が好きで聴き込んだイヤホンでもあります。
T3 Plusのようなウォーム系の音質が好みの方にとって、Timeless IIは次のステップとして良い選択肢になるでしょう。

総評

Timeless IIは音場が広く、バランスの取れた大人なサウンドに仕上がっています。
特殊なフォルムのため耳に合わないかと思いましたが、意外にもぴったりとフィットし、優れた遮音性となっていました。
ただし…優れたイヤホンではあるものの、正直なところコストパフォーマンスが良いとは言えません。
この空間表現力に見合った価格と捉えるかどうかが、評価の分かれ目になると思います。

販売情報

7HZ Timeless IIは各サイトで約35,000円にて販売しています。

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