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Kiwi Earsイヤホンレビュー

Kiwi Ears『Canta』レビュー。Cantaしか勝たん。

Kiwi Earsの新作イヤホン『Canta』が発売されました。
ダイナミックドライバー1基とプラナードライバー2基というハイブリッド構成で、価格は約16,000円。
一体どのようなサウンドなのか、他ブランドのイヤホンとの比較を含めて、詳しくレビューしていきましょう。

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パッケージ

Kiwi Earsのパッケージデザインは統一されていますが、Cantaも例外なくシンプルなデザインです。

黒い化粧箱は、シンプルながらも高級感があります。
ロゴが入ったボックスの中にはアクセサリーが入っているので、見ていきましょう。

アクセサリー

セット内容

  1. イヤーピース(白濁色):S//M/Lサイズ
  2. イヤーピース(赤軸):S//M/Lサイズ
  3. イヤーピース(黒色):S//M/Lサイズ
  4. ケーブル:3.5mm、0.78mm2Pinコネクタ
  5. イヤホンケース
  6. 説明書

イヤーピースは3種類付属していますが、それぞれ傘の厚み、硬さ、軸が異なります。
見た目だけではなく、音質にも変化があると思います。

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イヤホン

ビルド

シンプルなデザインのフェイスプレートは恐らく金属製で、シェルは樹脂で成形されています。
重量は5.1gと軽量で、装着時の重みは感じられません。
また、0.78mm2Pinソケットはフラットに埋め込まれています。

ノズル口径が6.5mm、ステム径が5.3mmと太いため、付属イヤーピースの装着が大変です。
フォルムはやや厚みがあるものの、耳へのフィット感は良好です。

スペック

ドライバー Planar Driver ×2
Dynamic Driver
感度 104dB SPL/mW
インピーダンス 14Ω
周波数帯域 20Hz – 20KHz

公式HPでは、ドライバーの詳細に関する記載を見つけることができませんでした。
恐らくですが、6mmマイクロプラナードライバーと10mmダイナミックドライバーの組み合わせだと予想します。

サウンド

使用環境

  1. アンプ   :TOPPING L30
  2. DAC    :TOPPING E30(AK4493)
  3. ケーブル  :付属ケーブル
  4. イヤーピース:TRI 角笛 Clarion
  5. エージング :20時間

ノズルが太いので、付属イヤーピースの装着を諦めました。

音質

CANTAの半分は優しさで出来ているのか?
CANTAの音色は、とても繊細で優しい音です。
また、低音域は薄く、全体的に音が軽い印象。
「ああ、これは、美しい音を聴くためのイヤホンなんだろうな…」というのが、CANTAの第一印象でした。

高音域

高音域は、ピークを感じることがなく、耳に刺さるような音になる前で綺麗に収まっています。
このチューニングが絶妙で、高音域を強くするとキツく耳障りな音に、逆に抑えてしまうと2つの平面ドライバーの良さが活かされません。
少し高音域が強くても、一般的なイヤホンでは気にならないのですが、CANTAは低音域が控えめな分、高音域のバランスが非常に重要で、緻密に調整されていると感じます。
低音域とのバランスを保ちつつ、これほどまでにクリアで伸びやかな高音域を実現している点は、このイヤホンの魅力だと思います。

中音域

繊細な音質で、ダイレクト感はあまり感じられません。
広く余裕のある空気感の中、各楽器の音がしっかりと分離されているので、1つ1つの音をじっくりと楽しむことができます。
ピアノやストリングス、アコースティックギターといった生楽器との相性は抜群です。
例えば、アコースティックギターは、自然な音色で生々しく、弦のアタック音や箱鳴りまで感じられます。

クラシック音楽もしっかりと鳴らすことができ、広い音場でコンサートホールで聴いているかのような臨場感があります。
一方で、激しいロックやEDM、ヒップホップなどには破滅的に合わないと思います。

ボーカルは、モデル名の通りに歌声が素晴らしい。
まるで目の前で歌っているかのようで、息遣いや感情が伝わってきます。
男性ボーカルも上手ですが、女性ボーカルの艶やかな歌声は見事でした。

低音域

低音域は、迫力に欠けます。
ドラムの音は軽く、ズドンとした重たい音は望めません。
中高音域を邪魔する部分を徹底的に削ぎ落としたような印象。
どちらかと言えば、空間を演出するような低音域の使い方です。
サブベースはそれなりに出るので、ナローレンジだと感じたり、音が痩せて聴こえるほどではありません。

定位・音場

音場は広いです。
まるでホールで演奏しているかのように響き渡ります。
音の定位感も問題ありません。

アンプ・ケーブル・イヤーピース

ケーブルとイヤーピースの交換を推奨します。
ノズルが太いのでイヤーピースは選ぶ必要があるかもしれません。
私は不器用なので困ったときのTRI 角笛 Clarionを付けています。
イヤホン本来のチューニングを変えたくないので、ケーブルはなるべく音質の味付けが少ないものを選びたいです。
単純に音質の底上げが狙えるケーブルが良いと感じました。
低音が物足りなく、リケーブルで改善しようとするのなら、このイヤホンの音質が好みではないのかもしれませんね。
スマホの直挿しは厳しいので、アンプの使用をオススメします。
ドングルDAC以上の出力があれば十分だと思います。
個人的にはバランス接続の印象が良かったです。

比較

低音域が控えめで、ボーカルが上手なイヤホンと言えば、個人的に水月雨 KATOが思いつきました。
また、最近レビューしたWAN’ER S.G Studio Editionも、低音域が控えめな印象です。
これらとCantaを比較してみます。

水月雨 KATO

3万円までのイヤホン女性ボーカル最強決定戦かな?
まず、低音域に関してはKATOが強く、量感があり、音に厚みがでています。
一方で、Cantaは中高音域の伸びが良く、女性ボーカルの繊細な表現力を引き出すことが上手だと感じました。
KATOは自然なサウンドで、どんなジャンルにも合わせやすい万能型。
Cantaは少しウェットな味付けがされており、豊かなサウンドで、女性ボーカルの魅力を最大限に引き出すことに特化している印象です。
間違いなく万人受けするのはKATOです。
女性ボーカルという点、アコースティックな楽曲であれば、Cantaが勝っていると思います。

WAN’ER S.G Studio Edition


Studio Editionは、フラットな特性で、モニターらしい音作りが特徴です。
Cantaは高音域が前に出てくる印象でリスニング向け。
また、音の解像度感に大きな違いがあります。Cantaの音は非常にクリアで、雑味がありません。
価格が3倍近く違いますが、音質にもそのくらいの差があると思います。

総評

『中高音域・ボーカル至上主義』
イヤホンのコンセプトを徹底的に追求し、こだわりを持ってチューニングしたんだと、感心します。
バラードなどの落ち着いた楽曲や、ジャズやクラシックといった繊細な音楽では、この価格帯で右に出るイヤホンはないと思います。
これらの音楽を好む方であれば、自信を持っておススメできるイヤホンです。
また、女性ボーカルが美しく聴こえるイヤホンが好きな方にもおススメ。
好きな人はとことん気に入るイヤホンでしょう。

CANTAは、美しい楽曲を美しい音で聴くためのイヤホンです。
CANTAしか勝たん。

販売情報

Kiwi Ears Cantaは各サイトにて販売中です。

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