KZから新作イヤホン「Dawn」が発売されました。
主な特徴としては、大口径ボイスコイルの採用と、リケーブルができないという点です。
価格も約10ドルと非常に手頃なため、気軽にKZサウンドを楽しめるイヤホンとなっています。
では、詳しく見ていきましょう。
パッケージ
パッケージはEDC Proなどと同様に簡素化されています。
アクセサリー
セット内容
- ケーブル付きイヤホン
- イヤーピース:S/M/Lサイズ
- 説明書
今回レビューで使用するケーブルは銀メッキ線となっています。
イヤホン
ビルド
フェイスプレートは、「Dawn」の文字のみのシンプルなデザインです。
形状はZSTXやEDCProとほぼ変わらず、片側3.7gと軽量です。
DawnはEDC同様、コネクタが固定されており、リケーブルができない仕様となっています。
ノズルの口径は6mm、ステムの太さは5mmと一般的なサイズです。
装着感はZSTXとほぼ変わりませんが、ケーブルの耳掛け部分がストレートなため、ZSTXに比べて安定感に欠けます。
また、内部にライトを当てると、内部構造を確認できます。
スペック
複数回の測定において、左右の音響特性にばらつきが確認されました。
エントリーモデルであることを考慮すると、個体差によるものと考えられますが、聴感上の影響が懸念されます。
ドライバー | 10mm Dynamic Driver |
感度 | 108dB±3dB |
インピーダンス | 23±3Ω |
周波数帯域 | 20Hz – 40kHz |
Dawnの最大の特徴は、大口径ボイスコイルを採用している点です。
これにより、サウンドステージの広がり、高音域の応答性の向上、クリアな音質を実現しているとのこと。
これには、センタードーム外側のエッジ部分からも音が出ることを考慮し、ハウジングとドライバーの組み合わせにおける音響特性を徹底的にチューニングする必要があります。
サウンド
使用環境
- アンプ :TOPPING L30
- DAC :TOPPING E30(AK4493)
- ケーブル :銀メッキ線
- イヤーピース:付属イヤーピース
- エージング :10時間
音質
重厚で迫力のある低音が気持ちがいい。
高音域はあまり強調されず、ドンシャリとは言えません。
高音域
高音域はクリアでスッキリとしたサウンドです。
低音に潰されることはなく、しっかりと前に出てきます。
大口径ボイスコイルの採用により、低域の量感だけでなく、高音域の解像度感の良さにも貢献していると考えられます。
中音域
低音域が強く、中音域が聴き取りにくいと感じることがあります。
特に、低音域を強調した打ち込み系の楽曲では、この傾向が顕著に感じます。
ボーカルのバランスとしては、男性よりも女性の歌声が前に出ているように聴こえます。
低音域
Dawnの最大の特徴である低音域。
ミッドベースとサブベースが力強く前面に押し出し、まるで音の壁が立ちはだかるような低音域です。
サブベースは柔らかく、若干ブーミーでだらしがない印象。
ミッドベースは引き締まっているので、速い楽曲でもしっかりと追従します。
このドッシリとした重低音は、KZイヤホンの中でも群を抜いており、楽しく気持ちのいいサウンドとなっています。
定位・音場
音場は広いです。
左右の特性に違いがあったものの、定位感は問題ありませんでした。
アンプ・ケーブル・イヤーピース
スマートフォンの直挿しでも十分に楽しめますが、Dawnの低音域を最大限に引き出すために、ドングルDAC以上のアンプと組み合わせるのが望ましい。
また、イヤーピースの交換は必須だと思います。
中音域に厚みを持たせて音を大人しくさせるAZLA「SednaEarfit MAX」の印象がかなり良い。
低音域がもっと欲しければfinal 「TYPE E」をオススメします。
比較
同じ価格帯の1DD機と比較してみます。
EDX Lite
やはり低音域とそれ以外に大きな違いを感じます。
Dawnはドッシリとした重厚感のあるサウンドで、EDX Liteにはない迫力があります。
一方、EDX Liteは中高音域の量感が多く、全体的にバランスが良くてクリアな音質です。
高音域の解像度感は両機ともに優れていると感じます。
EDX PRO
このほかにも複数のKZイヤホンを聴き比べましたが、EDX PROとDawnが近い音質であると感じました。
しかし、サブベースとボーカルの表現力には明確な違いがあります。
Dawnは力強いサブベースが特徴で、全体的なサウンドに厚みをもたらします。
また、低音が強いDawnなのでボーカルは不利かと思いましたが、女性ボーカルに限れば聴きやすく、解像度感が勝っていると思います。
総評
迫力のある重低音が気持ちが良い。
中音域は隠されている印象ですが、これは意図的なチューニングによるものと思われます。
解像度感も十分で、低価格帯のイヤホンにありがちな粗削りな音質ではありません。
低音域が強調され女性ボーカルが有利なので、YOASOBIやAdoなどの楽曲と相性が良いと思います。
特徴的なサウンドのため万人受けするわけではありませんが、10ドルという価格で重低音を手軽に楽しみたい方にオススメです。
販売情報
KZ Dawnは、各サイトで約1400円から販売されています。
ケーブルは、銀メッキ線とOFCケーブルの2種類が用意されており、それぞれマイク付きとマイクなしのモデルがあります。
あぁ…リケーブルしたいなぁ…ね?
コメント