3月21日、SOUNDPEATSの最新ワイヤレスイヤホン「Air5 Pro」が発売されました。
人気と実績のあるSOUNDPEATSの新作ということで、ノイズキャンセリングや外音取り込み、急速充電、LE Audio対応など、多くの機能が搭載されています。
価格は9980円です。
しかし、SOUNDPEATSのイヤホンに求められるのは、機能の多さは当たり前で、「質」の部分だ思います。
そこで今回は、発売前の「Air5 Pro」を実際に試す機会をいただいたので、詳しくチェックしていこうと思います。
筆者は普段、有線イヤホンを愛用しており、音質には少なからずこだわりを持っています。
なので「質」の部分も厳しい目で評価しながらレビューしていきたいと思います。
パッケージ

手のひらサイズの白いパッケージには、「Air5 Pro」が大きく映し出されており、インパクトのあるデザインです。
Snapdragon、Hi-Res、そしてLDACのロゴが誇らしげに輝いています。
さらに、VGP2025のロゴも。
調べてみると、「Air5 Pro」はBluetooth完全ワイヤレスイヤホン(8千円以上1万円未満)のカテゴリで金賞を受賞していました。


パッケージの裏には、仕様や各国の承認マークなどが記載されています。
もちろん、日本の技適マークもあるので、日本で安心して使用できますね。
パッケージを開封すると、充電ケースが白いトレーに収められています。

下箱と蓋の内側には、アクセサリーやマニュアルが収納されているので、取り出しておく必要があります。
アクセサリー

セット内容
- 充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース(L/M/Sサイズ)※Mサイズはイヤホン本体に装着済み
- 説明書等、アプリ説明書、ステッカー
ワイヤレスイヤホンの基本的なアクセサリーが付属しています。
SOUNDPEATSのマスコットキャラ「ピーツ君」のステッカーが付いています。
可愛いので、冷蔵庫にベタベタ貼ってみようと思います。
イヤホン・充電ケース
イヤホン本体


Air5 Proはショートスティック型のデザインを採用しています。
黒いボディに、赤銅色のロゴマークがあり、そこからスティックに向かってラインが伸びています。
マーク部分はタッチセンサーになっていて、楽曲の操作などが可能です。
また、ノズル部は楕円形です。
LR表記はスティック部分の先端にあり、左右が分かりやすくなっています。
装着感


イヤホンの重さは片側4.8gと軽量ですが、ショートスティック型としては標準的な重さです。
装着感は素晴らしく、耳にピッタリとフィットします。
遮音性が高く、パッシブノイズキャンセリング(PNC)の効果を強く感じました。
走ったり激しく動いても落ちないので、日常生活でイヤホンを落とす心配はほとんどないと思います。
さらに、Air5 ProはIPX5の防水性能を備えており、雨の日でも安心して使用できます。
もちろん、自分の耳に合ったサイズのイヤーピースを選ぶことが大切です。
充電ケース


充電ケースの重量は41.1gと軽量です。
大きさもMサイズの卵とほとんど同じでした。
それでいて、蓋を開けるとスペースが広く、イヤホンの出し入れがスムーズにできます。
マグネットも強く、蓋の開け閉めも簡単です。
真っすぐではなく斜めに開く設計で、開口部を広く確保しています。
とても工夫されていると感じました。


ケースは自立しない設計になっており、開いた蓋を支えにして置く形になります。
充電は底面のUSB Type-Cポートから行います。
ワイヤレス充電には対応していませんが、急速充電には対応しています。
10分間の充電で約2時間の再生が可能です。
寝る前に充電を忘れた日は強い味方です。
充電状態はLEDインジケーターで表示されるため、充電中やバッテリー残量が一目でわかります。
また、USB Type-Cポートの横にスイッチがあり、簡単にリセット操作を行うことができます。
スペック


連続再生時間 | イヤホン再生時間:7.5時間 |
ケース併用:約37時間 | |
Bluetoothバージョン | Bluetoothバージョン 5.4 |
対応コーデック |
SBC / AAC / LC3 / LDAC / aptX / aptX Adaptive / aptX Lossless |
イヤホンのバッテリー持続時間は、公式では7.5時間とされています。
実際にAAC接続、ANC OFFの状態で測定したところ、約8時間使用できました。
再生環境によって変動はありますが、一般的なワイヤレスイヤホンと同程度のバッテリー持続時間です。
Qualcommのチップ「QCC3091」を採用しており、Snapdragon Soundに対応しています。
S/N比の向上や低消費電力といったメリットがありますが、何よりもLE AudioやaptX系のコーデックに対応できるという、目に見える強みがあります。
Air5 Proは、今の環境で必要とされているコーデックを、ほとんど網羅しています。
iPhoneユーザー・Androidユーザー問わず、最適なコーデックを選択可能です。
筆者は音質重視なので、LDACが選択できるのはこの上なく嬉しいポイントです。
消費電力を抑えられるLE Audioが使用可能で、新しい規格を試したいユーザーも楽しめると思います。

ダイナミックドライバーには、10mmのPEEKとPUを使用した複合振動板が採用されています。
この振動板は、有線イヤホンのエントリーモデルで広く採用されています。
使用方法
充電ケースを開くだけで、自動的にペアリングモードに入ります。
2回目以降は、デバイスに自動接続されます。
Air5 Proはマルチポイント機能に対応しています。
スマホとパソコンで使用してみましたが、設定方法は簡単でした。
- 一度スマホでペアリングした後、ペアリングを解除する。
- 次に、パソコンとペアリングする。
- 最後に、スマホと再度ペアリングする。
これでマルチポイントの設定が完了し、音声の出力をスムーズに切り替えられます。
ただし、マルチポイント機能を使用すると、LDACは選択できません。
タッチ操作
左イヤホン | 右イヤホン | |
タップ | ボリュームダウン | ボリュームアップ |
2回タップ | 一時停止 | |
3回タップ | アシスタント呼び出し | |
1.5秒長押し |
ノイズキャンセリング/ 外音取り込みモード切替 |
曲送り |
SOUNDPEATSの専用アプリでカスタマイズが可能です。
サウンドチェック
音質

- 使用デバイス:Google Pixel 7a
- 使用アプリ①:Amazon Music ※EQ未設定
- 使用アプリ②:PeatsAudio ※EQ未設定
- コーデック :LDAC
- イヤーピース:付属品イヤーピース(Mサイズ)
- ノイズキャンセリング:OFF(ノーマルモード)

いくら機能が豊富でも、肝心の音質が良くなければ意味がありません。
Air5 Proの音質は、全体的に優しく柔らかいウォーム寄りのサウンドで、バランスのとれた聴きやすいイヤホンだと感じました。
また、分離感がよく、音がゴチャゴチャせずクリアに聴こえる点も優秀です。
低音を無理に強調して音質の粗を隠すようなこともなく、SOUNDPEATSが音質面で自信をもって勝負していることが伝わってきます。
高音域
高音域は控えめで、特に一番高い帯域はあまり出てきません。
そのため、金属音のような耳に刺さるシャリつきがなく聴きやすい。
ただし、明瞭感はそこまで強くないので、全体的に落ち着いたサウンドになっています。
中音域
LDACの効果もあってか、中音域にはしっかりと芯があり、腰の入ったサウンドです。
安いイヤホンにありがちな、薄っぺらい音ではなく、しっかりした音が鳴ります。
ただし、音に詰まりがあるように感じることもあります。
ボーカルは近めで、クリアに聴こえます。
特に女性ボーカルは澄んだ歌声が綺麗です。
低音域
低音も控えめで、迫力はそれほど感じません。
残響も少なく、音の余韻を楽しむタイプではありません。
ですが、楽曲に必要な量はしっかりと出ており、不足することはない。
また、低音が他の帯域を邪魔することもなく、全体のバランスを崩すことはありません。
ノイズキャンセリングをONにすると中低音域が前に出てきますが、その分解像度が低下して、高音域がぼやける印象を受けました。
定位・音場
定位感は問題なし。
音場の広さは普通で、特筆すべき広さはありませんが、窮屈さも感じません。
まとめ
音質は想像以上に良く、驚かされました。
この価格帯のワイヤレスイヤホンとしては十分すぎるほどのクオリティです。
何より分離感が優れており、バランスが良く聴きやすいチューニングになっています。
音域の上と下が控えめなので、元気のよさはなく、落ち着いた印象です。
とはいえ、イコライザーで音質を調整すると思うので、これはそこまで重要ではないのかもしれません。
また、付属のイヤーピースはフィット感は良いのですが、音質を重視するなら交換することをおススメします。
クラシックなどの広大な音場を求める楽曲には向きませんが、多くのジャンルをそつなく鳴らせるイヤホンです。
特に女性ボーカルのアニソンとの相性は抜群。
長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいです。
機能
接続品質
室内ではどのコーデックを選んでも、接続の途切れや切断は確認できませんでした。
しかし、駅などの混雑した場所では、プツプツと音が途切れることがありました。
こういった環境では、SBCやAACのほうが接続が安定するので、状況に応じて切り替えるのがベターだと思います。
ノイズキャンセリング
最大55dBのノイズを低減するAI適応型ANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載しています。
「適応型」「室内」「屋外」「屋外交通」といったシーンごとに効果を調整できました。
実際のノイズキャンセリングの性能は高く、特に低音の騒音に強かったです。
音質評価の際に低音域が強調されていたのは、このANCの影響も関係しているようです。
ですが、完全な静寂というわけではなく、電車の走行音や物がぶつかる高い音はある程度通ります。
不自然に遮断されるのではなく、自然なノイズキャンセリングといった印象です。
筆者は3万円以上する国産ワイヤレスイヤホンでは、「ノイキャン酔い」して気分が悪くなることもありますが、Air5 Proの効き具合ははちょうどよく、長時間でも快適に使えました。
外音取り込み
外音取り込み機能は優秀で、自分の声すらループバックしているかのように拾います。
特有のホワイトノイズは若干ありますが、気になるほどではありません。
イヤホンに計6つのマイクが搭載されているとのことですが、高い集音力があるようです。
マイク
マイク性能も良く、LINE通話のテストでもクリアな音声が確認できました。
これも搭載されたマイクがしっかり機能しるようで、オンライン会議やボイスチャットでもストレスなく使用できると思います。
アプリ

SOUNDPEATSの専用アプリ「PeatsAudio」をインストールしてみました。
細かい部分まで調整できて便利です。


アプリでは、モード切替やコーデックの変更、アップデートなど、様々なカスタマイズが可能です。


イコライザーには、10種類のプリセットが登録されています。
また、カスタムイコライザーで音質を細かく設定できます。
一通り使ってみましたが、完成度の高いアプリでした。
Air5 Proはもちろん、SOUNDPEATSの製品を使うなら、このアプリのインストールをおススメします。
App Store

google Play
遅延
Device / Bluetooth | TWS / Bluetooth | Mode | CODEC | 1st try | 2nd try |
---|---|---|---|---|---|
Google Pixel 7a / Bluetooth 5.3 |
Air5 Pro / Bluetooth 5.4 |
ゲームモード | SBC | 168ms | 164ms |
AAC | 204ms | 205ms |
測定アプリ:Superpowered Mobile Audio Latency Test App
低遅延のゲームモードで遅延を計測してみました。
普段使いではほとんど気にならないレベルですが、音ゲーなどタイミングがシビアなゲームでは厳しいと思います。
ただし、これはワイヤレスイヤホン全般に言えることであり、通常の使用では問題ありません。
また、Bluetooth 5.4対応のスマートフォンを使用すれば、遅延が改善されると思います。
比較
同じ価格帯のワイヤレスイヤホンを比較してみます。
比較対象はEarFun「Air Pro 4」、KZ「XTRA」です。
この3機種は全てQualcomm QCC3091が搭載されています。

機能
SOUNDPEATS 「Air5 Pro」 |
EarFun 「Air Pro 4」 |
KZ 「XTRA」 |
|
---|---|---|---|
連続再生時間 | イヤホン:約7.5時間 | イヤホン:約11時間 | イヤホン:約8時間 |
ケース併用:約37時間 | ケース併用:約52時間 | ケース併用:約32時間 | |
ドライバー | 10mmダイナミック | 10mmダイナミック | 10mmダイナミック |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.4 |
LE Audio | 〇 | 〇 | × |
対応コーデック |
SBC/AAC/aptx Lossless/ aptx/aptx Adaptive/LDAC/LC3 |
SBC/AAC/aptx Lossless/ aptx Adaptive/LDAC/LC3 |
SBC/AAC/aptX/ aptX Adaptive |
ワイヤレス充電 | × | 〇 | × |
マルチポイント機能 | 〇 | 〇 | 〇 |
防水性能 | IPX5 | IPX5 | × |
専用アプリ | 〇 | 〇 | × |
重量 | イヤホン片側4.8g | イヤホン片側4.8g | イヤホン片側5.6g |
ケース41.1g | ケース44.2g | ケース44.7g | |
価格 | 9,980円 | 9,980円 | 約9,900円 |
3つのモデルを比較すると、機能面ではXTRAがやや見劣りします。
一方、Air5 ProとAir Pro 4は、コーデックや各種機能が充実しており、専用アプリによる細かいカスタマイズも可能です。
大きな違いは連続再生時間と充電方式です。
・Air5 Pro:連続再生時間は約7.5時間、ワイヤレス充電は非対応ですが高速充電に対応
・Air Pro 4:連続再生時間は約11時間と長め、さらにワイヤレス充電が可能
このあたりはユーザーが求めるポイント次第だと思います。
個人的には、Air5 ProとAir Pro 4が最大のライバル同士になると思います。
遅延
Device / Bluetooth | TWS / Bluetooth | Mode | CODEC | 1st try | 2nd try |
---|---|---|---|---|---|
Google Pixel 7a Bluetooth 5.3 |
Air5 Pro Bluetooth 5.4 |
ゲームモード | SBC | 168ms | 164ms |
AAC | 204ms | 205ms | |||
Air Pro 4 Bluetooth 5.4 |
ゲームモード | SBC | 178ms | 176ms | |
AAC | 219ms | 214ms | |||
Xtra Bluetooth 5.4 |
High Performance Mode |
SBC | 179ms | 164ms | |
AAC | 214ms | 213ms |
続いては遅延の測定結果です。
数値上は大きな差はありませんが、Air5 Proが最も遅延が少ないことが分かりました。
とはいえ、その差はごくわずかで、体感できるレベルではないと思います。
音質

グラフの見方はシンプルで、左側が低音域、右側が高音域を表しています。
グラフの線が上にあるほどその音域が強く、下にあるほど弱いことを示します。
まず、100Hzまでの低音域を見てみると、音質チェックで感じた通り、Air5 Proの低音は3機種の中で最も弱いことが分かります。
一方で、最も低音が強いのはAir Pro 4です。
XTRAについては、測定がうまくいかなかったのか、グラフの曲線がやや乱れています。
高音域も同様に、Air5 Proは控えめで、Air Pro 4が最も強いという結果になりました。
実際に聴いてみてもその傾向は変わらず、Air Pro 4はドンシャリ傾向で元気なサウンドです。
XTRAはさらにドンシャリ傾向で、有線イヤホンの音に近い印象です。
Air5 Proは落ち着いたバランス型のチューニングです。
特にAir5 Proは、女性ボーカルがクリアに聴こえ、しっかりと前に出てくるのが特徴的でした。
最終的に音の好みは人それぞれですが、音の分離感に優れたAir 5 Pro が最も聴きやすいのは間違いないです。
Air5 Proは後発ということもあり、質という面で有利だと思います。
総評
正直に話します…少し語らせて下さい。
SOUNDPEATSのワイヤレスイヤホンは5年以上前でしょうか?数年前からとても興味がありました。
露出度が高いので、多くの方がネットで目にしたと思います。
私もその一人でしたが、どのレビューを見ても「コスパ最強イヤホン」とインフルエンサーたちが口をそろえて絶賛。
新製品が出るたびにべた褒めされる動画を見て、正直「忖度されたレビューばかりか?」と思い、次第にSOUNDPEATSの製品を敬遠するようになっていました。
どうせ、大したことのない製品だろうと、天邪鬼になっていたのです。
そんな中、今回SOUNDPEATS様より「正直な感想を書いて構わない」とのことで、Air5 Proのレビュー依頼をいただきました。
それならばと、徹底的に厳しく書いてやろうと意気込んでいたのです。
重箱の隅をつつきまくり、箱の穴が開く勢いで厳しく評価するつもりでした。
しかし、いざ重箱の蓋を開けてみると、凄く…良いイヤホンでした…。
音質もさることながら、機能は盛りだくさんで「質」の面でも完成度が高いと感じました。
だからといって、3万円以上する国産ワイヤレスイヤホンと比べて揶揄するような無粋なことはしません。
それでも、1万円で買える完全ワイヤレスイヤホンの決定版だと素直に思います。
購入方法

SOUNDPEATS Air5 Proは、Amazonで9,980円で購入可能です。
現在、発売特別セール実施中で20%引きになっています。
さらに、ブログ読者向けに10%OFFクーポンコードが発行がされています。
クーポンコード:SPA5PN3PR09
※4月いっぱいの期間限定なので、購入を検討している方はぜひお得なクーポンを活用してください。

コメント