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KZ有線イヤホンレビュー

KZ『ZA12』レビュー。脱ドンシャリ?4BA+2DDはクリアな音。

KZから有線イヤホン「ZA12」が発売されました。
ZA12は4BA+2DDのドライバー構成となっています。
価格は約8,300円。
今回は、この「ZA12」を聴き込み、他のモデルとの比較も交えながら詳しくレビューしていきます。

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パッケージ

パッケージは従来どおりの仕様です。

保護カバーを外し、イヤホンや付属品を取り出します。

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アクセサリー

セット内容

  1. イヤーピース:シリコンタイプ S/M/Lサイズ
  2. イヤーピース:フォームタイプ Mサイズ
  3. ケーブル:銀メッキフラットケーブル(3.5mm3極L字プラグ、0.75mmQDCタイプコネクタ)
  4. チューニングスイッチ切り替え用ピン
  5. 説明書等

イヤホン

ビルド

フェイスプレートは、メタルフレームに樹脂製のプレートを組み合わせた構造で、内部は龍の鱗のようなデザインになっています。
シェルは美しい樹脂製で、ビルドクオリティも高いです。
重量は片側8gあり、フレームに金属が使われているため、やや重めです。

ノズル口径は6.4mmと太めです。
チューニングスイッチ付きモデルには、シェルにスイッチが備えられています。
イヤホン自体に厚みがあり、ノズルも太いため、装着感は及第点といったところ。
耳が痛くなることはありませんでしたが、やや圧迫感があります。

スペック

チューニングスイッチ・周波数特性

スイッチによるチューニングは、低音域の変化が大きいようです。

仕様
ドライバー 8mm+10mm Dynamic Driver
Balanced Armature Driver ×4
インピーダンス 45Ω
感度 103dB
周波数帯域 20Hz – 40kHz

サウンド

使用環境

  1. アンプ   :TOPPING L30
  2. DAC     :TOPPING E30
  3. ケーブル  :付属ケーブル
  4. イヤーピース:付属イヤーピース
  5. エージング :20時間
  6. スイッチ  :全てOFF

音質

聴いた瞬間、控えめな低音に驚きました。
2DDということでドンシャリ傾向だと予想していたため、「イヤホンが壊れているのでは?」と思い、所有している方に確認してしまうほどでした。
AS24Proを聴いたときも感じましたが、KZの音作りが変わったように思います。

高音域

高音域は明るく、BAらしいシャープな音です。
カラッとした音質で、KZらしい派手さがあります。
同じBAが使われているため、SonataやAS24Proに近い音質です。
楽曲によってはシャリつきがあり、特に金属音は耳に残りやすいです。
耳が慣れるのに少し時間がかるかもしれません。

中音域

中音域は抜けが良く、こもりもなくクリアに聴こえます。
ドンシャリ傾向のKZイヤホンのように中音域が埋もれることはなく、しっかりと主張しています。
2DDの効果か、音に厚みもしっかり感じられます。

ボーカルは低音域に邪魔されることなく前に出てきます。
特に女性ボーカルは綺麗に響き渡ります。

低音域

低音域は控えめながらも、楽曲全体が薄くならないよう鳴っています。
その影響で、中高音域が際立っています。
サブベースは深みこそ感じにくいものの、楽曲に適度な迫力を与えています。
低音が弱いというよりは、軽くて距離感があるような印象です。

KZらしい力強い低音を期待すると、少し物足りなく感じるかもしれません。
もう少し低音を強調したい場合は、チューニングスイッチでの調整をおススメします。

定位・音場

音場はやや広めで、位感に問題はありません。

イヤーピース・ケーブル・アンプ

ZA12はインピーダンスが高く、鳴らしにくいイヤホンです。
スマホに直接挿して使う場合、十分な音量を確保するのが難しく、実用的ではありません。
そのため、ポータブルアンプや据え置き型のヘッドホンアンプなど、出力に余裕のある機器と組み合わせることをススメします。
特に、ZA12のような多ドラや平面駆動型のような駆動力の必要なイヤホンでは、アンプの種類によって、音質が大きく変わることがあります。

ケーブルやイヤーピースの交換は必須です。
ZA12のノズルは太いため、音質だけでなく装着感にも大きく影響します。
特に、AZLA SednaEarfit MAXのような、音を落ち着かせるタイプのイヤーピースとの組み合わせをおすすめします。
また、付属のケーブルはおススメできません。
ケーブルは好みに応じて選ぶのが良いと思います。

比較

今回も他のモデルと比較していきます。
ZSTXは1DD+1BAのハイブリッドイヤホンですが、ドライバー数が増えることでどのような違いが生まれるのか、多くの人が聴いたことのあるモデルを選びました。
また、3DDのイヤホンCVJ Nightelfとも比較していきます。

モデル ブランド ドライバーユニット 対応コネクタ 重さ 価格
ZA12 KZ 2DD+4BA 0.75mmQDC 8.0g ¥8,299
ZSTX KZ 1DD+1BA 0.75mm2Pin 4.1g ¥2,249
Night Elf CVJ 3DD 0.75mmQDC 6.5g ¥4,799
KZ ZSTX

低音域はグラフの通りで、サブベースの差が顕著に現れています。
実際に聴いてもZSTXは迫力が感じられます。
また、高音域は実際に聴き比べると、ZA12のほうが音が鋭くクリアで、より力強く聴こえます。
中音域もZA12は抜けが良く解像度が高いため、音の輪郭がはっきりしています。
一方で、ZSTXは音が荒く、やや薄く感じられ、その音質差は明らかです。

これは発売時期やドライバー構成、価格差を考えれば当然の違いですが、それと同時にKZの技術力と音質の進化を実感できます。
ZA12はZSTXの上位モデルといえる仕上がりです。
特にZSTXの音が好きなライトユーザーにとって、次のステップアップとしてZA12に加え、アンプを導入するのも良い選択肢でしょう。

CVJ Nightelf

Nightelfは3DDの影響か、低音域が厚く迫力があり、グラフ以上に強く聴こえます。
一方、ZA12の低音域はスッキリしていて、その音質は中音域にも影響を与えています。
ZA12は音の一つ一つを捉えやすいのに対し、Nightelfは分離感に欠ける印象があります。
これはBAの影響もあるかもしれません。
高音域はそこまで大きな差は感じませんが、金属音などのシャリつきはZA12のほうが強めです。

力強い音で迫力を求めるならNightelf、見通しの良い音で解像度感を重視するならZA12が合っていると思います。
イヤホンの見た目と音の特徴が逆な気がするのはなぜでしょう…。

総評

控えめな低音により分離感が向上し、クリアな音質になっています。
また、高音域はSonataなどの上位モデルに近い印象です。
イヤホンは大きめのフォルムですが、現在のKZらしいデザインとなっています。

KZらしさを残しつつ、従来のモデルとは異なる音質を持つZA12は、KZが好きな人以外にもおススメできるイヤホンです。
また、ライトユーザーの方はアンプの導入が必要になりますが、2,000~3,000円で買えるイヤホンからのステップアップとして非常に良い選択肢だと思います。

販売情報

KZ ZA12はAmazonで約8,300円で販売されています。
マイク付きモデルとマイクなしモデルを選択可能です。
現在、22%割引となっており、約6,500円で購入できます。

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