BLONから新モデル「BL03 II」が発売されました。
「BL-03」の後継機として、改良されたダイナミックドライバーが搭載されています。
価格は約5,000円です。
今回は「BL03 II」をじっくりと聴き込み、他のモデルとの比較を交えながら、詳しくレビューしていきます。
パッケージ

BL03 IIのパッケージは、シンプルで爽やかなデザインです。


スポンジ製の台座にイヤホンが収められており、箱の中にはアクセサリーがギッシリと詰め込まれています。
アクセサリー

セット内容
- ポーチ
- イヤーピースA:シリコンタイプ(白濁色) S/M/Lサイズ
- イヤーピースB:シリコンタイプ(白濁色) S/M/Lサイズ
- イヤーピースC:シリコンタイプ(黒色) S/M/Lサイズ
- ケーブル:銀メッキケーブル(3.5mm3極プラグ、0.78mm2Pinコネクタ)
- 説明書
白濁色のイヤーピースは2種類あり、それぞれ傘の大きさが異なります。
イヤホン
ビルド


亜鉛合金製のBL03 IIは、コンパクトで独特な形状をしています。
ケーブルをイヤホンに取り付ける向きが分かりづらいと感じました。
イヤホンの重量は片側6.5g。
金属製ながらサイズが小さいため、比較的軽量です。
想像以上にビルドクオリティは高く、しっかりとした作りになっています。


ノズルの口径は5.3mmと細めで、軸の細いイヤーピースでも問題なく装着できます。
耳にフィットすると素晴らしい装着感ですが、合わない場合はなかなか耳に収まりません。
イヤーピースの選びが重要で、色々と試しながら調整する必要があります。
多くのイヤーピースが付属しているのは、そのためだと思います。
スペック
周波数特性

仕様
ドライバー | 10mm Dynamic Driver |
インピーダンス | 32Ω |
感度 | 116dB |
周波数帯域 | 20Hz – 20kHz |
ダイナミックドライバーは、10mmのカーボン ダイアフラムが採用されています。
個人的に鳴らし込むと音が変わりやすいと感じました。
サウンド
使用環境


- アンプ :TOPPING L30
- DAC :TOPPING E30
- ケーブル :付属ケーブル
- イヤーピース :付属イヤーピース
- エージング時間:30時間
音質

BL03 IIは低音寄りの弱ドンシャリ傾向にあります。
全体的に柔らかめの音質ですが、亜鉛合金の筐体によって残響が適度に抑えられ、音がぼやけることはありません。
高音域
高音域は過度な主張せず、クリアで聴きやすい音質です。
シャリつきや刺さるような音はほとんどありません。
特10kHz以上の高音域は綺麗に伸びており、控えめながらもキラキラとした音が感じられます。
中音域
中音域はアッパーミドルレンジがしっかりと出ており、楽曲全体が暗く感じることはありません。
厚みがあり、芯のある音に仕上がっています。
ただし、若干音が粗いのが気になります。
この点は価格相応ですが、エントリーモデルとしては十分なクオリティと言えるでしょう。
ボーカルは楽器よりも一歩前に定位し、特に女性ボーカルが綺麗に出ていると思います。
低音域
コンパクトサイズのイヤホンですが、パワフルな低音です。
特にミッドベースの押し出しが強く、迫力のあるサウンドを奏でます。
その影響で中音域に被る部分もありますが、BL03 IIの個性となっています。
定位・音場
音場はやや狭め~普通。
音場は平均的で、音源の広がりは表現できるものの、特筆するほどの広さはありません。
定位感は良好です。
得意な楽曲ジャンルはJ-POPやアニソン、HIPHOPなど。
特に最近の楽曲との相性が良いと感じました。
イヤーピース・ケーブル・アンプ
BL03 IIは低い駆動力でもしっかり鳴るイヤホンです。
どのような再生環境でも、大きな音質の変化は感じませんでした。
装着感が他のイヤホンと比べて大きく左右されるため、自分に合ったイヤーピースを選定する必要があります。
個人的には、表面がサラサラしたイヤーピースよりも、AZLA SednaEarfit XELASTECのようなグリップ力のあるタイプが好印象です。
また、ケーブルには純度の高い線材を使用し、解像度の向上を狙いたいです。
比較
同価格帯のKiwi Ears CadenzaとMOONDROP CHU IIイヤホンと比較します。
どのイヤホンもドライバーは1DD構成で評価が高く、聴いたことのある人が多いモデルだと思います。

モデル | ブランド | 振動版 | 筐体 | 重さ | Amazon価格 |
BL03 II | BLON | 10mm カーボン | 金属 | 6.5g | ¥5,480 |
Cadenza | Kiwi Ears | 10mm ベリリウムコート | 樹脂 | 3.6g | ¥5,445 |
CHU II | MOONDROP | 10mm アルミニウムマグネシウム合金 | 金属 | 7.8g | ¥4,950 |
Kiwi Ears Cadenza

Cadenzaは全体的にスッキリとしたサウンドが特徴です。
対してBL03 IIは、強い低音が他の音域を圧迫して、やや窮屈に感じます。
高音域はBL03 IIの方が綺麗に出ており、特にシンバルなどの金属音がしっかり表現されるため、全体的に華やかな印象を受けます。
Cadenzaは落ち着いたサウンドで、バランスが良く聴きやすい。
一方、BL03 IIは弱ドンシャリ傾向で楽しい音です。
MOONDROP CHU II

やはり、最大の違いは低音域にあり、BL03 IIは迫力のあるサウンドです。
高音域はCHU IIも全体的に綺麗に出ていますが、BL03 IIは金属音などのキラキラした音がピンポイントで前に出ているため、メリハリの効いたサウンドに感じられます。
中音域に関しては、BL03 IIの音は若干の粗さが感じられます。
CHU IIの音は滑らかですが、全体的に暗めの印象です。
また、音場はCHU IIの方が広いです。
項目 | BL03 II | Cadenza | CHU II |
---|---|---|---|
高音域 | メリハリのあるサウンド | 主張がなくおとなしい | 綺麗で繊細な音 |
中音域 | やや粗さがあるが明るい | 解像度が高くフラット | 滑らかで暗めな印象 |
低音域 | 迫力があり、全体に影響 | 控えめでスッキリした音 | 適度な量感、バランス良い |
音場 | やや狭め | やや広め | やや広め |
装着感 | フィットしづらい | 軽くて快適 | 小さくて良好 |
特徴 | 迫力のある低音、楽しい音 | バランス型、聴きやすい音 | 広めの音場とナチュラルな音 |
総評
もちろん、音の粗さなど価格なりの部分もありますが、楽しく音楽を聴けるイヤホンでした。
エントリークラスで評価を得ているイヤホンと肩を並べる完成度だと思います。
フォルムや音質に個性のあるイヤホンなので、全員におすすめできるわけではありませんが、約5,000円と手に取りやすいので、一度聴いてほしいと思えるモデルです。
販売情報
BLON BL03 IIは各サイトで約4,900円から販売されています。
本体カラーはブラックとシルバーの2色展開です。
また、3.5mmプラグと4.4mmプラグ、マイクの有無を選択することができます。

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