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KZ有線イヤホンレビュー

KZ Vader Pro レビュー:3DDが生み出す質実剛健サウンド

KZから登場した「Vader Pro」は、片側に3基のダイナミックドライバーを搭載した3DDイヤホン。
低音・中音・高音を互いに潰すことなく鳴らし分ける設計で、迫力ある低音とクリアな高音を両立した高音質イヤホンです。
価格はAmazonで5,200円から。
本記事では、KZ Vader Proの音質や使用感、さらに「CVJ Night Elf」との比較についても詳しくレビューします。

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パッケージ

パッケージは従来のデザインです。

箱の中はイヤホン本体とアクセサリー類が収められています。

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アクセサリー

セット内容

  1. イヤーピース(シリコンタイプ):S/M/Lサイズ
  2. イヤーピース(ウレタンタイプ):Mサイズ
  3. ケーブル(QDCコネクタ):3.5mmプラグ
  4. スイッチ切り替え用ピン
  5. 説明書など

付属品は必要最低限のセットとなっています。

イヤホン

ビルド

イヤホン本体は、金属製のフェイスプレートとフレームに樹脂製のボディを組み合わせた構造です。
フェイスプレートはカット加工が特徴で、高級感のある仕上がりとなっています。
また、金属フレームにより堅牢性が高く、ビルドクオリティも優れています。
KZはエントリークラスのイヤホンでも品質が安定しており、安心して購入できるのがポイントです。

ステムの直径は約6mmと平均的な太さです。
重量は片側で10.3gと少し重めですが、金属パーツや3DD構成なので仕方のない部分かと思います。
また、本体に厚みがあるため、装着すると耳から少しはみ出しているように感じました。
個人差はありますが、筆者は長時間使用すると耳に当たる部分が痛くなりました。

ドライバーユニット

公式によると、Vader Proは片側に3つダイナミックドライバーを搭載していて、低音・中音・高音をそれぞれ出力します。
迫力のある低音に自然な中音、伸びやかな高音がバランスよく合わさり、立体的な音場を楽しめるそうです。

チューニングスイッチ

(※クリック・タップで拡大できます)
チューニングスイッチ付きのモデルでは、好みの音質に微調整することが可能です。

音質

使用環境

アンプTOPPING L30
DACTOPPING E30
ケーブル付属ケーブル
イヤーピース付属イヤーピース(シリコンタイプ)
スイッチ全てOFF(Basic curve)
エージング50時間

音質評価

チューニングはドンシャリ寄りで、特に低音が強調されており、グイグイと引き込まれるような力強さがあります。
全体的にも迫力があり、音圧をしっかりと感じられるサウンドに仕上がっています。

高音域:シャリつきを抑えたクリアな響き

一番上の高域は控えめで、耳に刺さるようなギラつきやシャリつきがなく、聴きやすい印象です。
音の粗さも感じず、明瞭感を保ちながら解像度感もしっかりと感じられます。
やや硬質な音色で、楽曲全体を引き締めてくれます。

中音域:埋もれない中音域

ドンシャリ傾向のKZイヤホンでは中音域が引っ込みがちですが、Vader Proではしっかり前に出てきます。
厚みがあり張りのある音で、ダイナミック感も十分に感じられます。
ボーカルも埋もれることなく、クリアでやや近めの音距離感が特徴です。

低音域:重厚感のある骨太サウンド

サブベース、ミッドベース共に質量があり、重厚感のある低音となっています。
余韻は少し感じられますが、ブーミーになることはなく、キレのある低音がしっかりとドライブ感を生み出します。
また、3DDによる緻密なチューニングのおかげで低音一辺倒にはならず、中音域の厚みもしっかり活かされています。

定位・音場

多ドライバーですが、定位はしっかりしています。
音場はやや広めで、閉塞感は感じません。

まとめ

基本的にはどの楽曲のジャンルでも楽しめる、元気な音のイヤホンです。
特にロックとの相性は抜群で、力強いボーカルや迫力ある演奏を存分に楽しめます。
ギターやドラムの響きも生々しく、まるでライブ感のある迫力を味わえます。
ただし、大人しい楽曲や繊細な表現を求める楽曲では、別のイヤホンのほうが向いていると思います。

また、このイヤホンの良さを楽しむには、ある程度音量を上げて鳴らすのがおススメです。
ボリュームを上げたときに本領を発揮するタイプなので、小さい音で楽しみたい方は別のイヤホンを選ぶほうが無難です。

イヤーピース・ケーブル・アンプ

インピーダンス 18Ω
感度 106dB
周波数帯域 5Hz – 45kHz

「Vader Pro」はスマートフォンでも十分に鳴らせますが、そのままだとイヤホンの持ち味である力強いサウンドは弱まってしまいます。
正直、スマートフォンだけで使うなら、このイヤホンを選ぶ必要はありません。
「Vader Pro」の良さを楽しむには、アンプの使用が必須です。


個人的には、KZの付属品だけでは物足りない印象なので、イヤーピースやケーブルの交換は必須だと思います。
音質傾向がはっきりしているイヤホンなので、落ち着かせたい場合や、特定の音域を強調したい場合に合わせて交換することをおススメします。

比較

今回は「KZ Vader Pro」と、同じ3DD構成を採用している「CVJ Night Elf」を比較します。

CVJ Night Elf

装着感
Vader Pro」はシェルが大きく、耳からはみ出すような違和感があり、筆者の場合は長時間使用すると耳に痛くなります。
一方「Night Elf」はフィット感は良いのですが、ステムが短いためイヤーピースが外れやすい点が難点です。


音質
Vader Pro」は全体的に硬くキレのあるサウンドが特徴です。
特にサブベースは深く、力強さを感じさせます。
周波数特性を見ると200Hz付近にディップ(谷)があり、この点が「Night Elf」との大きな違いとなっています。
ミッドベースを抑えることで中音域の見通しが良くなり、質量のバランスを取りつつ迫力ある低域を実現しています。
高音域は「Vader Pro」が明るめなのに対し、「Night Elf」は暗めで落ち着いた音色という印象です。

項目 KZ Vader Pro CVJ Night Elf
ドライバー 3DD 3DD
シェル/フェイスプレート 樹脂/金属 樹脂/樹脂
音質傾向 ドンシャリ傾向・低音寄り 低音強め
高音域 シャリつかず明るい 暗めで平坦
中音域 前に出てくる 押し上げるタイプ
低音域 深さとキレを両立 面で押し出すような低音
ボーカル 全般的に得意 女性ボーカルが苦手
音場 やや広め 標準~やや広め
装着感 シェルが大きく長時間は厳しい イヤーピースが抜けやすい
重量(片側) 約10.3g 約5.6g
Amazon価格(参考) 約4,400円 約4,799円

価格帯やドライバー構成は同じですが、音質や装着感に違いがあります。
装着感は「Night Elf」に分がありますが、音質面では「Vader Pro」の方が筆者は好みでした。

総評

「KZ Vader Pro」は、KZらしいドンシャリ傾向をベースとしつつ、3DD構成により低音・中音・高音が互いをつぶし合うことなくしっかりと鳴らし分けられています。
音がクリアで厚みもあり、迫力のあるサウンドを楽しめます。

  • 3DDイヤホンの音を体験してみたい方
  • 粗さの少ないドンシャリサウンドを求める方
  • 骨太でライブ感やパワー感を味わいたい方
  • パワフルな低音を基盤にしたロックやEDMを楽しみたい方

価格は約5,000円で、エントリークラスとは思えない完成度で、おススメできる一本です。

販売情報

「Vader Pro」はAmazonにて販売中です。
マイクの有無やチューニングスイッチの有無を選んで購入することができます。

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