CCZから新作の有線イヤホン「SOUL MC01」が発売されました。
ダイナミックドライバーには、10mmのダイアフラムが採用されています。
価格は約2,800円で、エントリーモデルとなっています。
今回は「SOUL MC-01」を実際に使用し、同価格帯のイヤホンと比較しながら詳しくレビューしていきます。
パッケージ

他のイヤホンではあまり見られない、幻想的なパッケージデザインです。


パッケージを開封すると、中にはイヤホン本体が収められています。
アクセサリー類はイヤホン本体の下、箱の底に同梱されています。
アクセサリー

セット内容
- イヤーピース:S/M/Lサイズ
- ケーブル:3.5mm3極プラグ、0.78mmTFZタイプコネクタ
- 説明書
必要最低限のシンプルなセットになっています。
イヤホン
ビルド


金属製のフェイスプレートはロゴとラインのみのシンプルなデザインです。
シェルは半透明の樹脂製で、片側約6.5gと平均的な重量となっています。
ノズル口径は5.7mmとやや細めで、イヤーピースの装着に困ることはありません。


ノズル口径は5.7mmとやや細めで、イヤーピースの装着に困ることはありません。
シェルの端は跳ね上がった形状になっており、装着感は良く、耳にしっかりと収まってくれます。
ほかのCCZモデルと同じ形状なので、同様の装着感と思って問題ありません。
ドライバーユニット

「SOUL MC01」は、ダイナミックドライバーを1基搭載した1DD構成のイヤホンです。
搭載されているドライバーには、10mmのPETダイアフラムが採用されています。
サウンド
使用環境


- アンプ :TOPPING L30
- DAC :TOPPING E30
- ケーブル :付属ケーブル
- イヤーピース :付属イヤーピース
- エージング時間:10時間
周波数特性

音質評価

低音寄りの見事なドンシャリサウンド。
目が覚めるようなチューニングで、音の勢いをダイレクトに感じられます。
高音域
BAのように突き抜けるような高音で、直線的に伸びていく印象です。
強い低音にも埋もれず、空間が確保されていて、しっかりと鳴りきっています。
また、耳に刺さるようなキツさはなく、明瞭度や解像度も十分なシャープな音です。
中音域
中音域はやや凹み気味で、低音域に押されている印象があります。
音の質感は乾いたような硬さがあり、少し粗さも感じられます。
とはいえ、価格やチューニングの方向性を考えれば十分納得できる範囲です。
ボーカルはそこまで悪くないものの、特別良いとも言えません。
テンポの速いボーカルならあまり気になりませんが、じっくり聴かせる楽曲では、ベールがかかったように感じられます。
低音域
サブベースよりもミッドベースが中心で、しっかりとした押し出し感があります。
低音はボワつかず、若干キレがあるため、楽曲に勢いとノリを与えるサウンドです。
CCZ SOULは、この力強い低音域が一番の特徴だと思います。
定位・音場
音場はやや広め。
定位も問題なく、左右の分離や立体感も把握しやすいと感じます。
ドンシャリサウンドで中音域に粗さはあるものの、細かな音質バランスを求めるようなイヤホンではありません。
KZ系のドンシャリが好みであれば、「これだよこれ!」と感じられる仕上がりです。
得意なジャンルはEDMやロックなど、低音主体の音楽。
硬めの音質で、低音にキレもあるため、ローファイだけでなくハイファイ寄りの楽曲にも対応できます。
対して、繊細な表現が求められるバラードやボーカル中心の楽曲は苦手なイヤホンです。
イヤーピース・ケーブル・アンプ
インピーダンス | 16Ω |
感度 | 105dB |
周波数帯域 | 20Hz – 20kHz |
「SOUL MC01」はスマホでも十分に駆動できる鳴らしやすいイヤホンです。
アンプを使えば低音域もしっかりと出てきますが、あえてスマホの駆動力だけでスッキリとした音質で聴くのも良いです。
イヤーピースの交換やリケーブルは、交換を推奨します。
本機はTFZタイプのソケットを採用しており、0.78mm2Pinコネクタでのリケーブルも可能です。
ただし、長期的に使用するのであれば、ピン折れのリスクを回避できるTFZタイプのコネクタで揃えるのがおすすめです。
音質への影響は比較的少なく、取り回しや見た目重視で選んでも問題ない印象です。
比較
エントリークラスで多くの人が所有していると思われる「KZ ZSTX」と、ほぼ同時期に発売された「ND Planet」、そして今回の主役である「CCZ SOUL」を比較してみます。

イヤホンのフォルムは異なるものの、大きな違いはありません。
装着感に関しては、個人的には「CCZ SOUL」>「KZ ZSTX」>「ND Planet」の順で快適だと感じました。
SOULは、耳の形に沿ったシェルのラインがぴったりフィットし、とても装着感が良いと感じました。
ZSTXも厚みなどはSOULと変わりませんが、フィット感では一歩及ばず。
3モデルの中では、Planetの装着感がやや劣る印象です。
モデル | ドライバー | 筐体素材 | 価格 |
CCZ SOUL | 1DD(10mmPET) | 金属FP+樹脂シェル | ¥2,780 |
ND Planet | 1DD(12mmベリリウムメッキ) | 樹脂 | ¥2,499 |
KZ ZSTX | 1DD(10mm)+1BA | 樹脂 | ¥2,249 |
※価格は2025年4月17日、Amazon【Yinyoo-JP】にて確認。
仕様面で最も大きな違いは、ドライバー構成です。
SOULとPlanetは1DDですが、振動板のサイズや材質が異なります。
10mmと12mmの大きな違いがあります。
ZSTXは1DD+1BAのハイブリッド構成となっており、音の情報量が多いと思います。
では、実際に音質ではどのような違いが感じられるのでしょうか?

音域の量感については、周波数特性のグラフ通りといった印象です。
ドンシャリ系の代表格とも言えるZSTXが大人しく感じてしまうほど、SOULの低音域は圧倒的に強く、押し出し感があります。
中音域では、SOULがもっと引っ込んだ印象です。
ZSTXは中音域がクリアで聴きやすく、Planetは厚みがあります。
高音域に関しては、SOULとZSTXと同時くらいの主張があります。
シャリつき感も似ていますが、ZSTXは低音の主張が控えめな分、全体的にクリアで分離感が良いです。
また、解像度については、BAドライバーを搭載しているZSTXが一歩リードしていると感じました。
Planetは他の2モデルと比べて、特定の帯域が突出することなくバランスよくまとまっている印象です。
自然な聴き心地を重視したチューニングが好印象でした。
CCZ SOUL
迫力のあるドンシャリサウンドが特徴です。
特に低音が強く、派手な音が好みならおススメ。
KZ ZSTX
BAドライバーによる解像度の高さが印象的です。
ドンシャリでクリアなサウンドを求める人におススメ。
ND Planet
特定の帯域が強調されることなく、全体的にバランスの良いチューニング。
自然な聴き心地を重視するならおススメ。
総評
久しぶりに「ドンシャリ系の暴れん坊」といえるイヤホンを聴いた気がします。
なかでも低音域は圧倒的で、強いインパクトを与えてくれます。
もちろん弱点もありますが、価格やチューニングの方向性を考えると、それを気にするようなイヤホンではありません。
「こう鳴らしたい」という明確なコンセプトが感じられるイヤホンは、音楽を聴いていて楽しいですね。
販売情報
「CCZ SOUL」は、Amazonにて2780円で販売されています。
今回比較した定番モデル「KZ ZSTX」もおススメです。
「ND Planet」もバランスの良い音質でおススメです。
レビューはこちらからどうぞ。

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