SONY修理・改造

SONY『WF-1000XM3』のバッテリー交換を自分でやってみる。

2019年に発売されたSONYのワイヤレスイヤホンWF-1000XM3。
発売から3年が経過し、バッテリーの経年劣化によるジャンク品が出回るようになっています。
また、後継機種WF-1000XM4が発売され、買い替え需要も重なり、フリマサイトでは多くのXM3が出品されています。
今回、バッテリー劣化でジャンク品として出品されたWF-1000XM3を入手したので、バッテリー交換をして復活させてみます。

この記事では、SONY WF-1000XM3バッテリー交換の詳しい手順、作業の注意点、必要な工具などを紹介します。
分解方法や交換作業の様子を写真付きで解説しているので、初心者の方でも分かりやすく安心です。

※この記事は2022年5月に旧ブログにて投稿された記事を、ブログ移転の際に再編集したものです。

スポンサーリンク

状態確認

届いたWF-1000XM3をチェックしてみます。
擦り傷はありますが、キレイ状態です。
ジャンク品は「充電はできるけどペアリングできない」という症状を選びました。
通電はするので赤く光って充電できたように見えますが、ケースから取り出すと充電はできていないので、動作しません。
この症状は故障ではなく、バッテリーの寿命が原因と思われます。

しばらく充電して様子を見てみます。
充電ケースの蓋を開けると、イヤホン本体は左右ともにLEDが赤く点灯しています。

ケースから取り出すと青いLEDが点灯しましたが、すぐに消灯してしまいました。
バッテリーが原因であることは間違いありません。
検証できたので、分解して電池を取り出しましょう。

スポンサーリンク

分解

薄い金属製のオープナー工具を使って、カバーの隙間に差し込みます。
少しずつこじ開けながら、一周させます。
カバーは、はめ込み式になっているので、上下に煽ったり、捻りながら回すのがポイントです。

カバーが開きました。
タッチセンサー側ではケーブルが繋がっているので、切断しないようゆっくりと開けていきます。

カバーは両面テープで強力に固定されているため、やや力が必要です。
また、開く角度は90度以上までに留めておきましょう。
カバー裏面にはタッチセンサーとマイクが搭載されています。

中蓋状のパーツは、2本のネジで固定されています。
ネジを外すと、パーツを取り外すことができます。
内部は基板が2段構成になっていました。

内部基板を撮影した写真ですが、コンデンサは顕微鏡じゃないと見えません。
私には水没したジャンク品は直せないと確信しました。

先ほど外したパーツの裏側に、バッテリーが装着されていました。
つまり、このパーツ自体がバッテリーケースとして機能していたようです。
バッテリーは両面テープで貼り付けられています。
強力な粘着力ですが、無水エタノールを数滴垂らすことで、簡単に剥がすことができます。
また、十分に乾燥させることで、粘着力が回復して再利用が可能です。

バッテリー装着

WF-1000XM3に装着されていたバッテリーは、ZeniPower社のZ55という型番でした。

今回用意したEEMB LIR1255というバッテリーは、サイズが若干大きいようです。
ですが、問題なく動作するとの情報があったので、こちらを使用することにします。

組立

LIR1255バッテリーを装着してみます。
バッテリーが大きく、予想以上に厚みがありますが、問題なく収まりました。
このまま作業を続けます。

バッテリーで厚みが増したために、パーツのネジ止めが困難になりました。
厳密にいえば締まるのですが、無理をするとネジ穴が潰れる心配があったので、ネジは締めずに続けていきます。
もし動作不良が発生した場合は、ネジ締めをしようと思います。

カバーを閉じる作業に移ります。
しかし、バッテリー装着による厚み増加の影響か、スムーズに閉めることができませんでした。全体に力を込めて押し込むと、パチンという音がしてしっかりと固定されました。
簡単には開かないようで、しっかりと固定されています
このまま充電を試みます。

異状発熱がないか注意しながら、充電を開始します。
イヤホンを充電ケースから少し浮かせると、充電中の赤いLEDから、通常状態の青いLEDへと正常に切り替わりました。

iPhoneにて問題なくペアリングを確認できました。
次に、Xperiaに接続し、「Headphones Connect」アプリでバッテリー残量を確認しながら音楽を再生してみましたが、問題なく動作することが確認できました。
2日ほど使用して問題がなかったため、内部パーツのネジ止めは行いませんでした。
おそらく、バッテリーが大きくなったことで内部スペースが狭くなり、ネジ止めをしなくても問題ないのかと思います。
これにてWF-1000XM3のバッテリー交換作業は完了です。

作業上の注意点

WF-1000XM3のバッテリー交換は、特に難しい作業はありません。
強いていえば最初のカバーを外す作業くらいです。
無理に力を加えて、カバーの爪を折ったり、タッチパネル類のケーブルを破損させないように注意します。

使用したバッテリー・工具

・バッテリー

created by Rinker
EEMB
¥1,289 (2024/09/15 20:08:07時点 Amazon調べ-詳細)

少し大きかったですが、問題なく使用できたEEMB LIR1255です。
日本のAmazon倉庫からの発送でした。
AmazonではZ55や互換性のあるCP1254も販売されていましたが、高額な上に海外からの発送で不安です。
また、バッテリーと工具のセット販売もされていましたが、こちらも割高でした。

Z55Hと同サイズのバッテリーです。
XM4のバッテリー交換作業で、こちらのセラーから購入しました。
10個ほど購入しましたが、明らかな容量不足は1つだけでした。
到着まで時間はかかりますが、AliExpressは返金制度がしっかりしているため、Amazonの海外発送よりも安心です。


長期間在庫となっているバッテリーは、売れずに劣化していく可能性があります。
AmazonやAliExpressでは販売個数を確認できるので、流動性の高い製品を購入することをおすすめします。
ましてやフリマサイトで売っているバッテリーは論外です。

・オープナーツール

created by Rinker
Wave Profesional
¥548 (2024/09/16 15:26:57時点 Amazon調べ-詳細)

カバーを外す際に使用しました。

・無水エタノール

created by Rinker
健栄製薬
¥1,453 (2024/09/15 19:23:45時点 Amazon調べ-詳細)

バッテリーを両面テープから剥がす際に使用しました。
使用しなくても問題ありませんが、両面テープ自体を剥がさないように注意してください。

最後に

ワイヤレスイヤホンの分解・バッテリー交換は、あくまでも自己責任で行ってください。
当ブログでは、分解・バッテリー交換によるいかなる損害も負いかねますので、ご了承ください。
メーカー以外でバッテリー交換されたワイヤレスイヤホンの購入は、おすすめできません。
また、ご自身で修理したワイヤレスイヤホンの販売は、絶対にやめてください。

Sat03 Labsでは、無償・有償に関わらず、イヤホンやヘッドホンの修理や改造作業は承っておりません。
修理や改造のご依頼に関しましては、返信を控えさせていただきます。
修理や改造は、メーカー、販売店、または専門店にご依頼ください。
ご自身で修理・改造に挑戦される場合は、分からない点があればお気軽にコメントください。
分かる範囲であれば喜んでアドバイスさせていただきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました