Kiwi Earsから、新作イヤホン『KE4』が発売されました。
2基のダイナミックドライバーと2基のバランスドアーマチュアドライバーを搭載した、ハイブリッド型のイヤホンです。
価格は約3万円で、同ブランドのQuintetと同様の価格帯に位置付けられています。
KE4がどのようなサウンドを奏でるのか、詳しくレビューしていきましょう。
パッケージ
kiwi Ears Cantaと同様に、シンプルなパッケージデザインを採用しています。
化粧箱は黒色で、高級感のある仕上がりです。
箱を開けると、イヤホン本体が丁寧に収められていました。
アクセサリーを取り出して、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
アクセサリー
セット内容
- イヤーピース:「Flex」 S//M/Lサイズ
- ケーブル:3.5mm、0.78mm2Pinコネクタ
- ノズル用ダストフィルター
- イヤホンケース
- 説明書
Kiwi Earsのイヤーピース「Flex」が付属されていました。
単品で2500円で販売されている製品なので、このセット内容には満足感があります。
さらに、ノズル用のダストフィルターも付属されているのは、製品へのこだわりを感じます。
イヤホン
ビルド
フェイスプレートはシルバーで、kiwi earsのロゴのみのシンプルなデザインがカッコいいです。
プレートはアルミ製かプリントかは不明ですが、樹脂でしっかりと埋め込まれていて、耐久性も高そうです。
0.78mm2Pinソケットはフラットに埋め込まれています。
ノズル径6.0mm、ステム径4.9mmの標準的なサイズ感となっており、ステムは短く設計されています。
医療グレードの樹脂製シェルは片側5.1gとなっており、カスタムIEMのような形状で耳にフィットし、安定した装着感でした。
スペック
ドライバー | 10mm Dynamic Driver ×2 |
customized RAB 32257 BA driver | |
Knowles RAD 33518 BA driver | |
感度 | 102dB±1dB |
インピーダンス | 28Ω |
周波数帯域 | 20Hz – 20KHz |
クロスオーバーネットワークにより、ダイナミックドライバーが低音、RAB 32257 BAドライバーが中低音、RAD 33518 BAドライバーが高音を担当します。
※AmazonとLINSOUL公式サイトではBAの説明が異なっていたので公式サイトの情報を引用しています。
サウンド
使用環境
- アンプ :TOPPING L30
- DAC :TOPPING E30(AK4493)
- ケーブル :付属ケーブル
- イヤーピース:付属イヤーピース「Flex」
- エージング :20時間
音質
音の第一印象は「ふっ…深いッ!」です。
決してふざけているわけではありませんが、KE4は力強い低音域が魅力だと感じました。
全体的には粗さは一切なく、質感の良いサウンドになっています。
詳しく評価していきましょう。
高音域
高音域は大人しく、やや暗めの印象です。
煌びやかさはあまりなく、どんな楽曲でも音の刺さりは感じないでしょう。
クリアではありますが、特徴は感じられない無難な音質です。
中音域
いわゆる暖色系で、自然な音ですが、低音域に邪魔されています。
低音域を押し出すための意図的なチューニングだと思いますが、中高音域が少し曇って聴こえるのが個人的に残念です。
ただし、悪く言えば曇った音色ですが、良く言えば暖かみのある音色と捉えることができます。
これは聴き手の主観によって評価が分かれるでしょう。
中音域から低音域への繋がりは滑らかで美しいです。
ボーカルは距離を感じ、特に男性ボーカルは離れて聴こえます。
低音域
際立つ低音が、本機最大の魅力です。
派手さはありませんが、サブベースは深く、太い芯を感じます。
ミッドベースは解像度感が高く、柔らかくふくよかな音色ながらも、しっかりと輪郭を保ち、ぼやけることはありません。
残響は少なく、キレも十分あるので、速い楽曲でも疾走感を感じることができます。
また、分離感も良く、各楽器が独立しているかのように聞こえます。
キックはズシリと重く、体に揺さぶりをかけます。
ドラムやベースなどの低域楽器がリスニングの主体になるのではないでしょうか。
定位・音場
定位感が抜群で、音場は広めです。
特に左右と奥行きが際立ち、立体的なサウンドを楽しめます。
アンプ・ケーブル・イヤーピース
イヤーピースは交換しています。
付属のFlexは、KE4との相性が良くないのではないかと感じています。
高音域を強調してくれるイヤーピースの方が、より良い印象でした。
また、リケーブルは強く推奨します。
音質というよりも、ケーブルが非常に絡まりやすく、取り回しが悪いです。
KE4の音質は、使用するアンプの影響を強く受けます。特に低音域は顕著です。
スマートフォン直挿しでは、音量は十分でも解像度や低音に物足りなさを感じることがあります。
ポータブルアンプや据え置きアンプと組み合わせることで、KE4のポテンシャルを最大限に引き出せるでしょう。
総評
以前レビューした「Kiwi Ears CANTA」とは正反対に位置するイヤホンです。
全体的に暗く、押し出すような低音域が特徴のイヤホンです。
楽曲は、どちらかといえば邦楽よりも洋楽に合っていると思います。
個人的に、KE4は万人受けするイヤホンではないと感じています。
質の高い低音域を求める人にはおススメなイヤホンです。
販売情報
Kiwi Ears KE4は各サイトにて販売しています。
30,000円前後です。
Amazonにて詐欺出品者を確認しています。
KE4は必ずLINSOUL-JPから購入してください。
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