HIFIMANヘッドホンレビュー

HIFIMAN『SUNDARA』レビュー。Dive into the live sound!

近年、平面駆動型イヤホンが次々と発売され、高い評価を得ています。
では、ヘッドホンといえばどうでしょうか?
平面駆動型ヘッドホンを多くラインナップしているブランドといえば、HIFIMANが真っ先に思い浮かびました。
そんなHIFIMANが手掛ける開放型平面駆動ヘッドホン「SUNDARA」
価格は約37,000円と、HIFIMANのラインナップの中では比較的手頃で、入門機とも言える位置づけです。
一体どのような音が楽しめるのか。
2年近くSUNDARAを使い込んできた筆者が、個人的な感想も交えてレビューしていきます。

※この記事は2022年10月に旧ブログにて投稿された記事を、現在の感想を含めて再編集したものです。

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パッケージ

SUNDARAのパッケージは、製品写真がプリントされた帯を巻いただけで、とてもシンプルです。
箱を開けると、中にはヘッドホン本体とアクセサリーが収められたボックスがあるだけ。
余計なものが一切なく、すっきりとした印象を受けました。
後にEdition XSを購入した際も、同様に簡素化されたパッケージングだったことを思い出します。

サンスクリット語である「SUNDARA」の正しい読み方について調べてみたところ、Weblio辞書では「スンダラ」と表記されています。
しかし、実際に発音を聞くと「サンダラ」と聞こえるため、どちらの読み方でも通じる可能性があります。

アクセサリー

セット内容

  1. ケーブル:3.5mm⇒3.5mm左右両出し
  2. 3.5mm⇒6.3mm変換プラグ
  3. 説明書

ケーブルと変換プラグのみという、必要最低限のアクセサリー構成です。

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イヤホン

ビルド

漆黒のボディに、銀色のロゴが映える無機質でシャープなデザインです。
アルミ製の本体は、高級感と耐久性を両立しています。
重量は実測で377gでした。

ヘッドバンドは、アルミのアーチに革を組み合わせたハイブリッド構造を採用しています。
2年以上使用していますが、破損するようなことはなく、耐久性に優れています。

HIFIMANのヘッドホンといえば、AryaやEdition XSのような形のハウジングが代表的ですが、SUNDARAはHE6seと同じく丸型ハウジングを採用しています。
個人的に、この丸型ハウジングのデザインがとても気に入っています。

SUNDARAは開放型で平面磁気ドライバーを搭載しており、特にデリケートな内部を保護するため、グリルは頑丈に設計されています。
また、3.5mmジャックはハウジングの下部、前側に配置されており、ケーブルが邪魔になりにくい工夫がされています。

スライダーの調節は硬めで、しっかりとした手ごたえがあります。
2年使用した現在でも緩みを感じることはなく、破損もありません。
ヘッドホンの左右表記はスライダーの内側部分に記載されています。購入当初は、このLRを探すのに少し手間取った記憶があります。

イヤーパッドは側面が合皮、肌に触れる部分は柔らかな布生地で構成されており、蒸れにくい設計です。
他機種も含めてイヤーパッドのサイズを測定したので、サイズ感の比較など参考にして下さい。

機種 外径(mm) 内径(mm)
HIFIMAN 「SUNDARA」 100 55
AKG 「K712 PRO」 100 65
beyerdynamic 「DT 990 PRO」 100 60

素人採寸のため、多少の誤差はご了承ください。

装着感

側圧が強く、押しつけられるような感覚があります。
ただし、これは筆者の頭が大きいことが影響しているのかもしれませんが…
耳はイヤーパッドにすっぽり収まり、クッション性も高いため、付け心地は良いです。
3時間以上装着していると、耳の周りが若干痛くなることがありました。
また、2年間使用しても、側圧が緩くなったと感じることはありません。

強い側圧と、頭にしっかりフィットするヘッドバンドで、頭をホールドしてくれます。
簡単にはヘッドホンが動かないので、使用中にケーブルを引っ掛けてしまうと、プラグやジャック部分だけにテンションがかかり、ダメージが集中してしまうので注意が必要です。

スペック

引用元:https://hifiman.com/products/detail/286

SUNDARAには、従来のヘッドホンのダイアフラムよりも80%薄いNEO「supernano」Diaphragm(NsD)が採用されていますが、ステルスマグネットは搭載されていません。

ドライバー planar magnetic driver
インピーダンス 32Ω
感度 92dB
周波数帯域 6Hz – 75kHz

サウンド

使用環境

  1. アンプ   :TOPPING L30
  2. DAC    :TOPPING E30(AK4493)
  3. ケーブル  :付属ケーブル
  4. エージング :-

音質

2年前の評価

2年前の購入時にどのように評価していたかを振り返り、まとめてみました。

中音域はしっかりと出ており、前面に出た元気のある音が特徴です。
低音域は量感こそ控えめですが、迫力とキレがあり心地よい印象を与えます。
高音域は潰れることなく解像度が高く、開放型ならではの抜けの良さが光ります。
全体的にバランスが良く、低音から高音まで迫力のある音が楽しめます。

音場については基本的に耳元に集中した印象ですが、パートによっては広がりも感じられ、狭さと広がりが共存する場面ではそれぞれが明瞭に聴き分けられます。
また、左右の分離感や定位感も優れており、明瞭でクリアな音質が魅力です。
幅広いジャンルに対応できるオールマイティな性能を持ちながら、特にバンドサウンドとの相性が抜群です。

現在の評価

もちろん開放型なので盛大にに音漏れします。
ヘッドホンのサイズ的にも室内専用と考えてください。

高音域


高音域は過度に主張せず、シンバルなどの金属音が前に出てくる程度で、全体のバランスを保っています。
音質はクリアでシャープでありながら、耳に刺さるようなシャリつきはほとんど感じません。
やや硬質で無機質な印象ですが、煌びやかな音も十分に表現できるため、音が暗く沈むことはありません。
これらの特徴によって、現在の主流の楽曲を明るく元気に楽しむことができます。
また、リケーブルを行うことで、解像度感がさらに向上し、より綺麗なサウンドが楽しめます。

中音域

開放型ヘッドホンならではの、音のこもりや圧迫感が全くない開放的な中音域が特徴です。
平面駆動型ドライバーを採用することで、高い解像度と音の分離感の優れ、一つ一つの音をクリアに聴き取ることができます。
また、適度な重厚感があり、元気で躍動感あふれるサウンドを存分に楽しめます。

ボーカルは、目の前で歌っているかのように近い距離感で、明るく鮮やかな歌声を堪能できます。
男女を問わずボーカルは上手で、他の音域に埋もれることなくクリアに聴き取れるため、ボーカル中心の楽曲も存分に楽しめます。

低音域

量感は控えめながらも不足はなく、全音域に対してバランスよく鳴らします。
6Hzから再生可能ですが、深く沈み込むような重低音ではなく、タイトで引き締まった低音域が特徴です。
レスポンスが良く、楽曲に力強いドライブ感を生み出します。
特にロックとの相性が抜群で、力強い疾走感がサウンドに躍動感を与え、思わず体が縦ノリで動き出してしまいます。

定位・音場

定位感は正確で問題ありません。
サウンドステージは広がりを感じますが、余韻が短く、音が空間を満たすような広がりは控えめです。
音像は近く、ダイナミックなサウンドが特徴です。

Edition XSとの大きな違いは、音場の広がりと音像との距離感にあります。
SUNDARAはライブハウスでロックを聴いているような、ダイレクトで迫力のあるサウンドであるのに対し、Edition XSはコンサートホールでクラシックを聴いているような、広大で繊細なサウンドといったイメージです。
個人によって好みは分かれるところですが、一般的には、音場の広がりや繊細さが優れているEdition XSを評価すると思います。

ケーブル・アンプ

リケーブルを強く推奨します。
正直なところ、付属のケーブルでは音質が物足りないです。
ピンアサインを調べたので、ケーブルの自作や購入される際は、参考にしてくださいね。

駆動力のあるポータブルアンプまたは据え置き型ヘッドホンアンプとの組み合わせが理想です。
逆にそこまでのアンプが無ければ、このヘッドホンのポテンシャルを最大限に引き出すことは難しいでしょう。

総評

SUNDARAの価格は約37,000円ですが、ハッキリ言って、この価格を出すならEdition XSや水月雨PARAを検討した方が良いと思います。
ですが、HIFIMANのヘッドホンはセール時に大幅な値引きが行われることが多く、SUNDARAが2万円前後になることもあります。
その場合は話が変わり、コストパフォーマンス抜群のおススメしたいヘッドホンの一つになります。

SUNDARAは2017年に発売された決して新しいモデルではありませんが、HIFIMAN JAPAN Online Storeでは未だにランキング1位を獲得しており、HIFIMANの主力商品であることは間違いありません。
(そのため、ステルスマグネットを搭載したバージョンアップ版や後継機が登場しないのかもしれませんね…)

SUNDARAで聴くミクスチャーロックは格別です。
特にLinkin ParkやMAN WITH A MISSIONを聴くと、まるでライブ会場で聴いているかのような臨場感に圧倒され、音に没頭し、体が自然と動き出します。

SUNDARAを購入して2年以上が経ち、数多くのイヤホンやヘッドホンを試していても、今なお手放せない愛機です。
筆者の好きな音楽ジャンルを、これ以上ないほど気持ちよく鳴らしてくれるヘッドホン。
買って良かったと自信を持って言えるモデルです。

販売情報

HIFIMANのヘッドホンは、公式オンラインストア、Amazon、AliExpress、実店舗など、さまざまなチャネルで購入できます。
その中でも、Amazon(販売元:株式会社HIFIMAN JAPAN)での購入がおススメです。

さらにAmazonでは、日本語でのサポートが受けられ、不具合が発生した際にも1年間の保証が付いているので、安心して購入できます。

特に、Amazonのセール期間中は割引されていることが多いので、HIFIMANのヘッドホンを安く購入するチャンスですので、ぜひチェックしてみてください。

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